マグロの「漁法」

今回はマグロを漁獲する方法「漁法」についてです。


生鮮、冷凍を問わずマグロを漁獲する方法としては


「延縄・はえなわ」
一本の幹網に多数の枝縄(延縄)をつけて
その先端に釣り針をつけて魚を釣り上げる


「巻網・まきあみ」
魚の群れに対し、大きく取り囲むように網を巻いて
徐々に海底側のワイヤーを巻き上げて口を縛り
文字通り一網打尽に漁獲する


大きく分けて上記二つあります。


皆さんが普段利用されるスーパーやお魚屋さん、
飲食店さんでは、そのような表記は目にしないと思います。

でもマグロの鮮度やその身質、味わい等でかなりの差が
出てきますので、消費者の方々にも是非知っていただきたい部分です。


弊社が取り扱う冷凍マグロは、そのほとんどが
日本から遠く離れた世界各地の遠洋で
「延縄」漁法で漁獲されたものです。


「延縄」漁のメリットとしては、

「一本一本づつ、丁寧に漁獲することが出来る」
「狙った魚だけを漁獲する事が出来るので、資源保護の面で有益」


という点です。

デメリットとしては、『時間と手間が掛かる」点です。


幹縄の長さは100~150kmもあります。
6~7時間かけて縄を海に投げ、2~3時間待って
今度は縄を引き上げる作業を行います。

ほとんど丸一日、乗組員のみなさんが交代で作業を行います、
漁獲されたマグロは、一番腐りやすい「えら、内臓、ひれ」を素早く除去し
血抜きした上で、凍結庫で-50℃以下にまで急速凍結されます。


その後、各漁船から大型の冷凍運搬船に転載され、
弊社の有ります静岡県静岡市の清水港や、隣接する焼津市の焼津港、
または神奈川県三浦市の三崎港などで水揚げされます。

水揚げ後は、各港に隣接する超低温冷凍庫に速やかに保管され
市場・市場外流通を経て、一般消費者の手元に届きます。


「延縄」漁のもう一つのデメリットとしては
「鮮度等、品質が一定ではない」という点です。

漁獲から船上処理、凍結までかなりの時間を要する為

「素晴らしく鮮度の良い魚」
(死語硬直する前に凍結させる為、解凍後に
死語硬直が起きる→いわゆるちぢれ、縮、ちぢみの状態)

「鮮度のあまり良くない魚」
(針にかかってから、船上で処理されるまで時間がかかってしまった)

これらがどうしても混じってしまうのです。


水揚げ時の値決めでは、全て混みの価格で取引されますが
個体別に品質にかなりの差があります。
荷主は良い魚を出来るだけ良い値段で販売したい。
そこで
「オークション=セリ」
という業務が各市場で毎日行われているのです。

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