今回は「セリ」についての続きです。
マグロの品質には個体差がかなり有りますので、
「セリ=オークション」
という販売形態が取られています。
もっとも効率的に短時間に大量の
マグロを売りさばく事が出来るからです。
弊社が取り扱う「冷凍マグロ」について申しますと、
数百本という数量が連日セリにかけられているのは
①豊洲市場(東京都)
②三崎市場(神奈川県三浦市)
③静岡市場(静岡県静岡市)
以上の三箇所です。
(その他にも、冷凍マグロのセリを行う地方卸売市場は有りますが、
連日100本を超える数量というのは、限られてきます)
①の豊洲市場は、
皆さんご存知の「築地市場」から平成30年に移設されました。
日本最大の消費地の東京、更に言えば関東地方の台所です。
日本中のみならず世界中から、様々な魚が集まって来ます。
間違いなく、その質と量共に日本のナンバーワンの市場です。
マグロは特に「生マグロ」が世界中から上場されるべく集まります。
冷凍マグロも、多い時で1日に7~800本もセリにかけられます。
②三崎市場は
「冷凍マグロ」に特化した地方卸売市場です。
神奈川県南東部、三浦半島の先端に位置します。
三崎漁港は、その南に面した
城ヶ島が自然の防波堤の役割を果たしている天然の良港です。
昔から冷凍マグロの水揚げが盛んで、超低温の冷凍施設も併設されている為
4~500本位と,豊洲に次ぐ数量が連日取引されています。
冷凍マグロ専門業者さんも多く、品質の良いマグロが多く集まる事でも有名です。
神奈川~関東という日本最大の消費地に向けてという側面もあります。
豊洲と同じくして平成30年に新市場か完成。
③静岡市場は、
弊社の有ります静岡県静岡市が運営する中央卸売市場です。
人口規模は約70万と政令指定都市の中でも最小の規模ですが、
清水区(旧 清水市)の清水港は冷凍マグロの年間水揚げ量日本一です。
清水港は、これまた日本一の水深の深い駿河湾(なんと水深2,550m!)に面し
静岡県のほぼ中央。美保半島が防波堤のように港を守っているので
波がとても穏やかです。
大型の冷凍マグロ運搬船も入港しやすい為、水揚げ量が増えて
保管するために超低温の冷凍庫団地まで出来ました。
隣接する焼津市の焼津港も冷凍かつお・マグロの水揚げが昔から盛ん。
清水と焼津両地区は、①②の消費地市場に冷凍マグロを出荷する為の
陸上の保管場所となっています(東京に比べて、土地代も安価なので)。
また静岡市には、冷凍マグロ類を専門に取り扱う商社系大手や、
業者が数多く有ります。(弊社もその一つです)
同じく焼津市にも、これまた老舗の水産会社が沢山ございます。
その消費人口規模と比べて、
静岡市場に「冷凍マグロ」の上場本数が多い理由としては
a.確かに静岡人は冷凍マグロをよく食べる
(家計調査によると静岡市は一世帯当たり支出金額、数量、平均価格でNo.1)
b.出荷者が自分の目で魚を確認出来る(見本市の役割)
c.弊社のような「場外のマグロ専門問屋」が数多くある(需要が有る)
という事が挙げられると思います。
弊社も、東京(旧築地市場の時代)や三崎市場での仕入れを模索した事がございます。
しかしながら、やはり自身の目で魚を一本づつ確認して
納得の行く仕入れをしたいと考え、地元の静岡市場に日参しております。
今回の写真は、昨日(5月25日)の最新の
焼津港での日本の冷凍延縄船の入札結果です。
こちらはセリではなく「入札」です。
一本一本では無く、まとめてロット仕入れです。
現在は需要が強く、供給が少ない為高値となっています。
次回はもう少し「セリ=オークション」について掘り下げたいと思います。
続く
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