冷凍マグロの「鮮度」その1

今回は冷凍マグロの「鮮度」その1
「縮み」についてです。

弊社の取り扱う冷凍マグロは、ほぼ全て「延縄漁法」によって漁獲されたものです。
魚の群れを発見したら網を巻いて文字通り一網打尽にしてしまうような漁法とは異なり、狙った魚種だけを漁獲出来るという、資源保護にも有益な漁法です。

しかしそのデメリットとして漁獲されたマグロその一本一本の「鮮度」に非常に差があるという点があります。

延縄漁法は、枝縄に餌をつけ、100〜150kmもの長さの幹縄を漁場に流します。
漁船の近くで釣れたマグロは直ぐに処理が出来ます。
しかし一番遠い150km先で釣れたマグロは、処理するまでにどうしても時間が掛かります。
船員さん達は「漁獲〜船上処理〜凍結」という一連の作業を、それこそ夜も寝ずに交代制で行います。いくら素早く凍結出来ても、その前段階で既に鮮度に差が出てしまうのです。

①鮮度の非常に良いマグロ=縮み(ちぢみ)
死後硬直が起きる前に、凍結処理されている為解凍した後に、死後硬直が起きるのです。
死後硬直が起きるのは、生きていた証拠。
鮮度抜群の証です。
写真のマグロ、端っこの部分が縮んでいますよね?
これが死後硬直です。

「縮」は赤身の中では、上級のグレードになります。
飲食店や業務筋の方々が、好んで購入されます。
その理由としては、「棚持ちが良い」事があげられます。
解凍後、良い色に発色している時間が長く保てる為、お客様に「商品として」マグロのお刺身を提供される飲食店様等にとても喜ばれます。

ただ、ひとつデメリットを上げるとすれば「解凍後、直ぐに食べても美味しくない」点です。

ゴムを食べているみたいと表現される事が多いです。
死後硬直が起きている最中ですので、旨味成分がまだ出ていないのです。

そのデメリットを、使い慣れた飲食店や業者さんは良くご存じでいらっしゃいます。

縮みのマグロを上手に解凍するコツは「解凍後、冷蔵庫で一晩寝かせて旨味を出す」という事です。(芯まで完全に解凍してから、冷蔵庫にしまわないと芯黒になりますので、くれぐれもご注意下さいね)

遥か遠洋で漁獲されたマグロが、今目の前で死後硬直している。
冷凍技術の進歩がなせる業です。
上手に解凍して、美味しく頂きたいものです。

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