「天然南鮪」の中トロ

写真は6月11日(金)の折り込みチラシです。
弊社のお得意先、静岡市清水区の鮮魚介卸業者さん「魚彩」(ぎょさい)本店さんです。
〒424-0815 静岡市清水区江尻東2-5-13 ℡ 054-367-6535
営業時間10:30〜18:00(火・水定休) (清水河岸の市にも、支店が有ります)

写真のお刺身は弊社が主に納品させていただいております「天然南鮪」の中トロです。
南半球シドニーや、ニュージーランド沖またはアフリカ大陸最南端ケープ沖など
日本から遠く離れた冷たく荒れた海で漁獲されました。
乱獲の影響で一時は絶滅危惧種とまで言われましたが、厳しく資源保護を続けてきた結果、
ここ数年で水揚げ量が徐々に回復。
市場への流通量も増えて、静岡市場のセリ場にも連日何本かは並ぶまでになりました。

「天然南鮪」は資源保護の対策として、各漁船ごとに厳しく漁獲制限が設けられています。
なんと釣り上げられた一本ごと、のどの部分にタグが付けられているのです。
また南鮪は「蓄養」も古くから豪州で盛んです。
輸入され、回転寿司やスーパー等で販売されています。
魚体はあまり大きくないですが、南鮪は腹の部分が厚く「大トロ」が多く取れるので人気が有ります。

しかし、これだけは断言出来ます。
その「トロ」、断然「天然南鮪」の脂物の方が美味です!

ただ「天然南鮪」は脂ののりと鮮度に非常にでぶろくが有り、なおかつ南鮪特有の赤身の「濃い」色目が災いし鮮度が良くないと色目が「黒い」といわれてしまうのです。
(もちろん、その色目でも生色出来ますし美味しいですよ)
「天然南鮪」の良脂物は主にお寿司やさん向け(回らない方です)。
赤身は切り落としや加工品にもなります(南鮪入りねぎとろ等)。

昨年来のコロナ禍以後、各得意先様が本当に今も苦しんでいます。
「魚彩」さんも同様に苦しんでおられました。
静岡市にお住まいの方でしたら、皆さんご存知であろう様々な有名店やホテル、旅館、その他本当に多岐に渡る業種や店舗に
マグロを含めた様々な魚介類を納品されています。
それらがことごとく販売不振の状態に。
もちろん弊社のマグロもストップです。
飲食店さんは休業補償が有りましたが、我々納品業者に売り上げ補填は有りません。
「このままじゃめしが食えない」と「小売」を始めるという決断をされました。

セールスポイントとしては、飲食店向けの様々な魚介類が豊富な事。
基本的に魚介類は業務用の方が品物は上物です。
そんな上物を使って「寿司」や「お刺身」を販売する。
「お惣菜」も販売して、まずは近隣の住民の方々を固定客にしたい。
クチコミで徐々に販売も右肩上がり、来たる一周年に向けて
記念セールを検討されています。

納品業者の私としては、入荷が増えて入手し易くなった「天然南鮪」と販売不振で苦しんでいらっしゃる「魚彩」さんという二つをなんとか繋げられないかと日々思案していました。

何度かサンプルをお持ちしましたし、商談に同行させて頂いたこともあります。
ただ「天然南鮪」は個体差が有りすぎて品質によるランク分けが非常に難しい魚なのです。
基本的に丸魚の状態で値付けされて、流通するほかない、特殊なマグロなのです。
そんな南鮪を社長の知恵を借り、原魚を使いやすい形態に加工(これは企業秘密です)。
なんとか製品化にこぎつけました。

その状態でお持ちしたところ「これは使いやすい!」と売り込んで下さるようになりました。
何回かチラシによるセールも行い、一店舗で販売するには驚くほど大量の注文を頂く事となりました。

清水区(旧清水市)は港が近いこともあり昔から魚を良く食べる土地柄です。
個人のお魚屋さんもその数こそ減りましたがまだまだ健在です。
そんな清水のお客様のお眼鏡にかなったこの「天然南鮪」の「中トロ」のお刺身。
「天然南鮪」の持つ力と、魚彩さんの商品化の技で現在では売り場に出すとすぐに売り切れてしまう「ヒット商品」となっています。

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