マグロの「希少部位」

今日は面白い写真が撮れましたので、
お見せしたいと思います。
ジャーン、なんとマグロの頭の解体作業です!

朝市場に行ったら、仕入れでお世話になっている静岡市場の仲卸「鵬水産」さんの古参、米川さんが見事な包丁さばきでマグロの頭を捌いています。
「米川さん、その頭は何ですか?」
「また付き合いで買わされたこの生インドの頭だよ!」

そうなんです、生マグロは冷凍物と違いその日のうちに売り切らないとダメになってしまうので、セリで値段の出なかったマグロはせり人が相対価格で仲卸さんに渡して売り捌くのです。

毎年5〜6月位は日本近海の生マグロの水揚げが増えます。
また日本近海物だけでは有りません。
これから冬に向かう南半球のオーストラリア、ニュージーランドから生の天然南マグロが多数上場されます。
(なんと空輸です!)
当静岡市場にも、毎日ではないですが上場されています。
この生南鮪(別名インドまぐろ)は60kg位。
頭の大きさは大体10%位ですから約6kg位。
それを包丁でさばいて、

①頭肉(ずにく)「はちのみ」とも言います
脳天の肉。細長い筋状の物。脂物はこの肉も脂が乗ります。左右二つ取れます。
鮮度が良いものはお刺身でも食べます。
非常に美味しいです。

②ほほ肉
目の後ろの肉。左右で二枚取れます。
繊維質で火を通すと、お肉のような食味で人気です。
一本60kgのマグロから頭肉もほほ肉もたったこれだけしか取れません。
まさに「希少部位」です。

これら希少部位にもピンキリあります。
上物から取れたものは、更に希少中の希少部位です。

よく焼津さかなセンターやお土産店で頭肉やほほ肉が販売されていますが、大抵加熱処理した「味付け」加工品が多いです。
よほど鮮度が良くないと、生食は厳しいです。
もし頭肉やほほ肉をお店で見かけたら、マグロの原体の大きさを想像しながらお召し上がりくださいね。
数十キロ~数百キロのマグロからとれるのはたった数百グラム。
ご近所の知り合いのお魚屋さんにお願いしてみるのも手かもしれません。

冷凍マグロについては、加工業者さんそれぞれでこの頭を処理されています。
ただ上記のようにマグロ一本から取れる数量がほんの微々たる物ですので、出来上がり製品はとても引き合いが強いです。
私の知る限りでは、「希少部位」専門の業者さんが焼津地区に一社ございます。
その会社では、マグロの頭だけを様々な加工業者さんから
仕入れて、営業冷凍庫に保管されているそうです。
その数量なんと数十トン!だそうです。
「希少部位」を専門に取り扱うのは、それだけのコストがかかるという事ですね。

非常に手間のかかるマグロの「希少部位」、見つけたら是非召し上がってみてください。

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