マグロの部位別の構成比

今回はマグロの部位別の構成比についてまとめました。
丸魚のサイズによっても若干変わりますが、おおよそ下記のような構成比になります。

一例として、写真の50~60kgサイズが最も魚屋さんが
好まれるサイズです。
これ位の大きさで、可食部分が約半分としますと25~30kg位の重量になります。
一日に全部使い切るのは、かなりの販売力の有る店舗でも
なかなか難しいと思います。
冷凍マグロの良さは、必要な分だけすぐに解凍して使用出来る事だと思います。
生マグロのシーズンでも、冷凍マグロの需要が無くならないのは、この特性によるものなのでしょう。

(各部位別の構成比)
頭 約10%
→カブト焼きやほほ肉、脳天の身が取れます

ハラモ 約3%
→大トロの部分です。本鮪と南鮪だけはハラモに厚みが有り構成比が上がります。メバチやキハダのハラモは薄いので特に小さい物は切り身等焼き物の材料になります。
脂物のメバチは、ハラモにも脂有って美味です。

頭尾 約4~5%
→背の頭の血抜きより前の部分は、筋が強いので外します。
同様に尾の端部も筋が強いので外します。
切り落としやねぎとろ等「マグロ加工品」の原料になります。

胴中部 約50%
→背・腹共にお刺身用として「カワラ」や「サク」「板」
などの形態に加工します。

その他(骨・皮・血合い)残り(約30%強)
→これも捨ててしまうのではなく、
ちゃんと専門業者さんが引き取って製品にしています。
主にペットフードの原料になります。

冷凍マグロの加工時には、「丸魚の実際の重量」と「各部位別出来上がり製品」を計測し一覧表にします。
そして各部位別に評価単価を入れ、加工経費を上乗せしてコスト計算をします。
上記の構成比には「シミ・キズ」等は考慮していませんので、魚が暴れて血が飛んでしまった場合は、胴中部の本製品(お刺身用にする部分)の出来上がりが減る事になります。
船上で丁寧に扱われた冷凍マグロは、やはりシミやキズも少ないです。
魚価も値崩れしにくいです。
安く仕入れたマグロを加工してみたら、シミばかり。
製品にしたら結局高くついたというのは本当によくある話です。(経験談です。耳が痛い。ため息が出ます。)

教訓
「安いものには、必ず理由がある」
逆もまた真なり。
「高いのにも、高い理由がある」

良い物を安く仕入れるのは、本当に至難の業です。
どんな業界でもそうでしょうが、あまりに割安なものは敬遠した方が無難ではとついつい思ってしまいます。

冷凍マグロの価格は、このようにコストの積み重ねで計算されています。
相場による上下も有りますが、基本的にはこのような原魚からの原価計算で部位別に価格が付けられています。

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