「なぜスソ物ばかりが高いのか?」

冷凍バチ卸売の市況は、この春あたりから供給減少。
高値が続いています。

豊洲の荷受会社の集計によると、7月の冷凍マグロの搬入は前年と比べると何と70%近い減少だそうです。
確かにこれだけ数量が減ると需要と供給の関係で単価が上昇するのは仕方ない事だとは思います。

しかし、細かく見ていきますと需要に濃淡が有る為単価の上昇にも偏りが生じています。

一番安い「スソ物」ばかりが値上がり(昨年キロ600円から現在ではキロ900円)。
しかし上物と呼ばれる品質の良いマグロ(脂・縮赤身)はそれほど値上がりしていません。

昨年来のコロナ禍が続く影響で、上物を主に仕入れて販売していた飲食店や料亭の販売不振は現在も続いています。

対照的に、大手の回転寿司チェーンはいち早く販売も回復し、テイクアウトも好調のようです。

冷凍マグロの搬入量は全体的に減っており、キハダやバチの40kg下も少ない為マグロ加工業者が悲鳴を上げています。
業者間での通常の相対取引も縮小されて、入札も高値が続いています。

加工用の原料が足りなくて困っているマグロ加工業者が、市場でセリに掛けられたバチ40kg上のスソ物を取り合っているというのが、現在の「スソ高」の本当の理由だと思います。

最後になりましたが、写真は弊社のメバチマグロの中トロです。
もちろん下値のスソ物のマグロではありません。

上場本数が絞られる現在も、こんな良質な脂物のメバチまぐろを毎日コツコツ仕入れています。

いつか必ず、コロナ禍は終息する時が来ます。
夜明け前が、一番暗いのです。
その日を信じて、今日も頑張ります。