「ねぎとろ=中落ち」だった?

本当は「ねぎ」が入るのか入らないのか、平仮名・カタカナ表記等様々な名称で呼ばれている「ねぎとろ」についてのお話です。

ねぎとろの発祥には、所説有ります。
東京浅草の寿司店でまかない料理として出されていたものが、美味いと人気に。
正式にメニューとなったそうです。
中骨に付いたマグロ(中落ち)の身をそぎ取ることを、「ねぎ取る」と表現するそうです。
どうやら、ねぎとろの「ねぎ」は、野菜のネギとは関係ないようです。

業務用ねぎとろを商品化した先駆者といえば、何と言っても群馬県の赤城水産㈱さんでしょう。
赤城水産さんは、元々は伊香保温泉の旅館に刺身用マグロを納めていたそうです。
大量に余った部位をすてていたところ「もったいない」という従業員のアイデアで油脂とまぜて商品化したのが始まりとの事。
ちなみに1987年発売だそうです。

これが現在みなさんが良く目にするねぎとろの原型ですね。

思ったより、そんなに古くは無いです。
今や回転寿司チェーンやテイクアウトの寿司やどんぶりにはなくてはならない存在です。

「ねぎとろ」を初めとする「まぐろ加工品」の存在がマグロ業界全体の中でどんどん大きくなって来ました。
安い赤身は、特にまぐろ加工品製造業者向けの割合が増え、マグロの相場を左右するまでになって来ています。
下値は底堅く、上値が伸びないのはこの構造が原因だとも思います。

ねぎがのっていなくても「ねぎとろ」。
マグロの中落ち部分に手を加え、まかないで食べていたものがそもそもの発端。

現在では、大手・中小様々な会社が色んな製法でねぎとろを製造しています。
製法は変わりましたが、その美味しさは変わらずです。
ネーミングもメーカーにより様々です。

「ねぎとろ」に始まり、
「〇〇入りねぎとろ」(○には主に魚種が入ります)
「ネギトロ」
「まぐろのたたき身」
「まぐろの粉砕」(あえて脂を混ぜない)等々。

私のおススメは、各お店が「手作りした」ねぎとろです。
手作りのネギトロは手間がかかるのでとても貴重品です。
お店で見つけたら、是非一度購入してみてください。