赤身の並品が高級品に?

7月も後半に入り、東京オリンピックも無事開会。
異例の七月、四連休真っ只中です。
そんな中、各市場での冷凍マグロのセリは高値が続いています。
今月の日本への冷凍マグロ原魚搬入量は昨年の半分以下。
入荷数量の大幅な減少が、相場高騰の要因です。
特に「スソ物」と言われる並品が高く、
昨年の相場㌔600円より㌔300円も値上がりして
現在では㌔900円からとなっています。
こんな相場は、なかなか有りません。

相場高にありながら、大手回転寿司チェーンでは
「大トロ一貫100円!」フェアーを只今開催中。
赤身は搬入減により、卸売市場で高騰。
トロは在庫潤沢な為、末端店舗で安売り。
何ともちぐはぐな状態が今年の春頃から顕著になりました。

大手回転寿司チェーンの販売力は、現在の冷凍マグロ業界にとって決して無視出来ないものになっています。
特に大手メーカーにとっては、メインの商材である「畜養マグロ」を大量に動かす事の出来る販売先として無くてはならない存在となっています。

また赤身についてですが、大手の各メーカーは、一番数量の多いマグロの「並品」をバチキハダ問わず、寿司ネタ用に加工して大手回転寿司チェーンに販売しています。
大手回転寿司との商談は、かなり早い段階で行われる為
この春からの原魚相場の急激な高騰を受け、納品価格の値上げがキチンと出来ているのでしょうか?
大手メーカーは加工場や冷凍庫といった付帯施設を稼働させるという必要も有り、少々安売りしてでもシェアを取りに行くという側面もあろうかと思います。
それでなくとも少ないマグロを、安売りする為に高く買う?
そんな摩訶不思議な事にならなければ良いのですが。

数年前、キハダマグロが大量に搬入され相場が暴落した事があります。
最大手のメーカーが主導して日本全国でキハダマグロの安売りが行われました。
大手回転寿司チェーンも安売りしました。
「まぐろ赤身3貫 100円」
というセールも行われていました。
それ以後、日本全国に「キハダは安くて儲かる」
という認識が定着してしまった中、なかなか値上げが進まないのかもしれません。

今回はマグロ赤身の高騰につき
「マグロ赤身1貫 100円」に。
そんな風に回転寿司最大手が値上げするでしょうか?
大トロ1貫 100円
赤身一貫 100円
多分しないでしょうね。
でもそんな事を思う位、今回の赤身高騰は本当に厳しいです。
年内は厳しい販売状況が続くと予想されます。