マグロの脂が強すぎる!

以前、お客様よりお電話で「マグロの脂が強すぎる!」とお叱りを受けたことがあります。

長野方面の飲食店さんで、宅急便で週に1~2回商品を発送しています。
商品はメバチマグロの中トロサクと赤身の板取りがメインです。
弊社の商品を気に入って頂き、もう10年以上もお取引下さっています。

そんな中、冒頭のような苦情のお電話が。
「バチの脂が強すぎる!
これじゃお客さんがお腹こわしちゃうよ!」

最初は冗談かと思いましたが、加工のロットを調べてみますと確かにその時のマグロは特に脂の乗りが深い良い魚を加工していました。
最上級のお寿司屋さん向けとまでは言いませんが、素晴らしい深い脂のメバチマグロを上手く仕入れる事が出来たので、そのマグロを加工したロットでした。

ところがそのお客様には、合わなかったのです。
そのお客様の店舗は長野の山合に有り、昔から馬肉を食べる習慣があるそうです。街道沿いなので、山梨方面や遠くは関東方面からもお客様が見えるそうです。

お客様がお望みだったのは、トロと赤身のコントラストがハッキリした「やや薄脂」のメバチの中トロサクでした。
魚を変えて、サンプル加工してお届けすると「こちらの方が良い」と気に入って頂けました。

かたや最初の「脂が強すぎる」とお叱りをうけた商品を別のお客様にお届けすると「非常に脂の深い、良いマグロだね!」とこれまた気に入って頂けました。

お客様のご要望に今一度耳を傾け、手持ちのカード(商品)から一番おススメのものをお客様に提供する。
口で言うのは簡単ですが、それを実現するのは本当に難しい。
でもその積み重ねこそが、お客様からの信頼につながり、長いお付き合いに発展していくのだと思います。

今回は「ほどほど」の脂が正解だったようです。
だから、脂物は難しい。
更に勉強が必要だと痛感しました。