冷凍マグロの年内の展望

7月26日現在、東京他大都市を中心に緊急事態宣言が出される中、無観客という極めて残念な形ではありますが東京オリンピックが開催されています。

何故酷暑の日本の7~8月に開催なのか
実際に競技を行う選手の体調の事を考えると、コロナ禍での開催とはまた別の意味で本当に大変なオリンピックになってしまいました。
しかし始まって見れば、各選手の頑張りで金メダル続出の嬉しい展開。
嬉しい限りです!
当分寝不足との闘いが続きそうです。

こと弊社のマグロの商いについて鑑みますと、昨年の最悪の時期(3~4~5月)と比べて日本各地への出荷は徐々に持ち直してきていると実感しています。
ただ、まだまだ本格的な回復には程遠いです。
冠婚葬祭を中心に自粛ムードが広がり、観光業関連についても、未だ盛り上がりに欠けるのが現状です。

そこに冷凍マグロの搬入量減少による相場高が重なり、徐々に影響が出てきています。
市場での仕入値は高値で安定。
旧盆までに、更にもう一段階の値上がりも予想されます。
マグロ業界全体で見れば、明らかに逆風が吹いているのが実感としてあります。

(冷凍マグロの年内の展望について)
まず供給面です。
冷凍運搬船の入港予定は下記の通りです。
8月  3隻 9,100トン
9月  1隻 3,000トン
10月 4隻 11,700トン
11月 2隻 6,200トン
12月 1隻 3,700トン
先の方はまだ確定ではありませんが、とりあえず8~9月は入荷少ないのはハッキリしています。

次に需要の側面からです。
8月の旧盆商戦に向けて、現在市場ではスソ物を中心に高値が続いています。
まず旧盆までは、このまま行くと思います。
神奈川県三崎市場では、更なる値上がりとも聞いています。
昨年はコロナ禍のおかげでお盆期間の帰省が出来ず、大都市圏のスーパーの売上が伸びたという事例が有ります。
今年はこの帰省が例年通りに戻るかどうか、地方の市況の盛り上がりの鍵になります。

総じて、旧盆明けは例年ですと若干相場も落ち着くところです。
今年は9月の搬入が少ないのが明確なので、セリ場への上場本数も増える事はないでしょう。
入札や相対取引等、その他の取引ルートも高値が続いていますので、市場のセリは今後も強含みで行くのではと推測します。

コロナ禍の終焉とともに、日本経済がデフレから脱却出来れば良いのですが…。
ただ今回の冷凍マグロの値上がりは、あくまで需要と供給の関係によるものだと思います。
末端の販売価格は未だ値上がりしていません。
我々中間業者の利益が減っているだけなのです。