情報交換の場

静岡市場の冷凍マグロのセリ場には、毎日たくさんの方々が見えます。

1.場内仲卸のマグロ買い付け担当の方々。
2.市内の鮮魚店や、寿司店(立ち、お持ち帰り)の方々。
3.私のような場外問屋の買い付け担当の方々。
4.清水区(旧清水市)や焼津の出荷業者(荷主)の方々も、自分達が出荷したマグロのセリを確認によく見えます。
これぞ、冷凍マグロの水揚げ地ならではの光景です。

セリ人にとっては、買いにきてくれる方が多いほうがセリも賑やかになり値段も高くなる為、歓迎してくれます。
荷主も多ければ多いほうが、それだけ選択肢が増えてセリも盛り上がります。
搬入量が激減している今年、それでも何とかしてマグロを集めてくれています。

土曜日は上場本数も少ないので早めに下付けが終わりました。
セリまで時間が出来たのでほんの少しの間ではありましたが同業他社の方お二人に現在の販売状況等、色々教えて頂きました。
お二人とも口々に「緊急事態宣言が出てから、全く動かなくなった」とおっしゃっていました。
セリの動向についても
「よその市場は、もっとスソ物高いから」
と静岡市場はまだ安いとの事。
(スソ900円は最高レベルだと思うのですが…)
その他、販売の相場についてもあれこれ教えて頂き、いよいよ弊社も更なる値上げを考えねばと、考えさせられること多々有りました。

ちなみにお二人ともお隣の市、焼津の業者さんです。
私と同じようにほぼ毎日市場に顔を出されます。
出荷者でもあり、もちろん仕入れもなさります。
セリ場は冷凍マグロ業者の一種の社交場とも言えます。
お二人はいつも気さくにお話しをして下さり、貴重な情報を教えて頂いています。
未熟者の私の方が教えていただく事ばかりですが、何かお役に立てればとこちらからも情報をお伝えする時も有ります。

ここが同じ港町でも清水と焼津の違うところです。
焼津の業者さんは、横の繋がりが比較的強いのに対して、清水は特定のグループ内の繋がりに留まる感があります。

焼津地区は、基本的に焼津魚市場を通して原魚仕入れが行われ、魚市場を中心に、業者さん同士が様々な形でお付き合いされています。
一方清水地区は、古くはお茶や缶詰等の輸出に始まり、拡張を続けながら貿易港として発展してきました。
そんな中、冷凍マグロの仕入れは商社が主体となり、市場を通さず独自に原魚を仕入れていく(輸入)形が主流です。
よって大手の商社系のマグロ問屋とその関連業者というグループがいくつか有るという現状に至っています。

弊社は、清水区のどちらかといえば焼津に近い静岡寄りにあります。
清水・焼津どちらの業者さんとも色々な形でお付き合いさせて頂いています。
様々なご縁で、このように同業他社の方々にも可愛がって頂き、誠に光栄です。
今後とも宜しくお願い致します。