天然南鮪の新物

今年釣れた天然南鮪の新物の水揚げが始まり、徐々に市場に並ぶようになりました。

日本近海で釣れたマグロと日本から遥か遠い海(遠洋)で釣れたマグロとではその流通経路が大きく異なります。

今回お話しする天然南鮪の漁場は、南半球です。
(南半球でしか釣れないので、南鮪といいます)
マグロの旬(脂の乗る時期)は海水温が低くなる冬ですから、南半球では北半球と逆になります。
日本の夏の時期が南半球の冬、マグロの旬となります。
南半球の中でも高緯度に行けばいくほど海水温も下がり
より良質なマグロが穫れます。

有名な漁場としては、
「南アフリカ大陸の最南端ケープタウン沖」
「オーストラリア大陸の南端シドニー沖」
等があります。

それらの漁場は日本からかなりの距離があります。
現在は航空便が発達しているので、何と空輸でシドニー等から主に東京の豊洲市場に直接送られる事もあります。
ただやはりコストが掛かるので、数量は限られます。

一般的には、大型(数千トンクラス)の冷凍運搬船や冷凍コンテナで日本に運ばれます。
弊社の有ります静岡県の静岡市清水港や、お隣の焼津市または神奈川県三浦市の三崎港などで水揚げされます。

日本に届くまでのおおよその日数ですが、空輸で数日、冷凍運搬船では2〜3ヶ月、冷凍コンテナではもう少し早く1〜2ヶ月も掛からないと思います。

いづれにせよ、この5〜9月位に漁獲された今年の新物の南鮪が様々な流通経路を辿りながら日本のマーケットに流れています。
一時は絶滅危惧種とまでいわれた天然南鮪ですが、厳格な漁獲制限が一定の効果があったようでここ数年は漁獲量も回復し、市場への上場本数も増えて来ています。

市場でも特に脂物は人気です。
昔のようにキロ数万円とまではいきませんが、上物はキロ3,000円以上する物も出ます。
静岡市場では、15〜30kg位の小さめの脂物が人気です。
実は私も狙っています。
今日もたくさんのライバルとこれからセリで勝負です。
では行ってまいります!