験を担ぐ

今朝市場に出向くと、マグロのセリの責任者の方から「ブログ読みましたよ!おっしゃる気持ちは良く分かりますよ。マグロは大切に扱えって、俺いつも部下に言ってますから!」
と何とも嬉しいお言葉を頂戴しました。
マグロ愛に満ちた、彼の言葉になんだか同志のような思いを持ちました。

我々マグロを扱う者は、やっぱりマグロが好きなんです。
好きだからこそ、大切に扱いたい。
ましてや、尊い命を扱っているのです。
マグロに感謝し、ありがたくいただく。
我々マグロの取り扱い業者が決して忘れてはいけない事だと思います。

良く知っている方がこのブログを読まれていると知り、非常にてれくさい思いが先に立ちました。
けれども、直接反応を頂けたのは毎日ブログを書いている身としては何とも嬉しい限りです。

こうした方々の尽力のおかげで、いち地方市場に過ぎないここ静岡市場に毎日沢山の冷凍マグロが集まってきます。
またマグロを並べて、一本一本重量を計り魚体に番号や漁場等を記してくれるスタッフの方々。
こういう方々の手によって、毎朝冷凍マグロのせりはとてもスムーズに進められています。
選択肢が多いという事は、出来るだけ良いマグロを仕入れたいという、我々仕入業者にとってはそれだけで本当にありがたいことです。
いち業者の端くれとして、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
今後とも宜しくお願い致します。

さてこう相場が高止まりしていると、何をやっても上手く行きません。
そもそも緊急事態宣言でメインの販売先である飲食店さんが軒並み休業だったのですから、売上が伸びる筈が有りません。
緊急事態宣言の解除後も、なかなか直ぐには以前の売上が戻らない状態が続いているのが飲食店業界の現状ではないでしょうか。

こうなってくると、今までのお決まりのパターンから一度脱却してみるのも手です。
験を担ぐ(げんをかつぐ)とよく言いますが、以前良い結果が出た事を繰り返し行う事で吉兆を推し量ることだそうです。

思いっきり小さな事からやってみました。
市場の駐車場から、セリ場に歩いて向かう経路を少し変えてみたのです。
その日、何となくセリで上手くマグロが買えたので、以後はその行動を連日繰り返す事にしました。
また、市場から自宅迄帰るルートもずっと同じだったので敢えて別ルートを探してそちらを通って帰宅する事にしました。

なんかまた少し、運気が良くなったような気がしました。
もう10年以上も同じ事を繰り返していると、同じ事の繰り返しでマンネリズムに陥ってしまいがちです。
思い切って小さなところから変えてみる。
もし上手くいったら、験を担いでそれを続けてみる。
ダメなら、また別の事を試せば良い。

ちなみに今日は今年最後の天赦日。
百神が天に昇り、天が万物の罪を赦すため、あらゆる障害が取り除かれる日です。
新しいことを始めるには最適な日、最上の吉日とのこと。
何か新しい事、始めてみませんか?