マグロのトロとスジ

マグロのスジが嫌いだと言われることがあります。
スジは確かに歯に引っかかったりしますし、うまく噛みきれなかったりもします。
スーパーでマグロの店頭販売をやっている時、特にご年配の方からこのようによく言われました。
マグロのスジは、尾ひれや背ひれなどよく動かす部分に多く集まります。
また、魚体の表面に近い部分がスジが集まっています。
ズバリ、トロの部分はスジばかりとも言えるのです。

ちょうど分かりやすい写真が有りました。
マグロのトロサクが、左右に2枚並んだ写真です。
2枚とも、左上から斜めに入っている白い線が「スジ」です。
その並行して走ってるスジの間、ピンク〜赤色の魚肉の中に細い白い細かな線が「トロ」、マグロの脂分です。
牛肉にで言えば「サシ」と言われるものと同じと考えて下さい。
そうして見て2枚のサクを比べますと、左側の方が良く脂が乗っているのが良くお分かりいただけると思います。

マグロのスジの正体は、マグロの身(筋肉)を支える内筋周膜や腱です。
マグロは魚類の中でも大きいほうですから、その大きな身体を動かす為にはスジも太く強くなるという事ですね。
マグロのトロ・脂は皮ぎし・表層部に乗りますから、スジが有るのは当たり前という事になります。
あとはお刺身やネタに切る時の「切り方」が大事になります。
「スジを切りながら、切る」という事です。

でもやっぱり、スーパー等で売れ残ったサクは大低「尾」に近い部分スジばかりのものが多いです。
さすが消費者のみなさん、良くお分かりです。
尾部は、かなり割安にしないと売れませんね。
(ちなみにスジの主な成分はコラーゲンですから、火を通すと全く気になりません。)