トロくらべ

ウチの社長とよくマグロの試食をします。
その場でよく話すのが、
「目隠しして、本鮪と南鮪のトロをお店で出されたら
多分絶対に判別出来ないだろうな」
という内容のことです。

これから年末〜お正月と、日本人が一年で一番マグロを食べる時期に入ります。

「本鮪と南鮪の違い」や
「本鮪と南鮪、どちらが美味しいですか?」
こんな質問をよく頂戴します。

答えはもちろん「はい、どちらも美味しいです!」
とマグロ屋の端くれとしては言いたいところですが、これでは答えになっていませんね。

①本鮪
本鮪はなんといってもマグロの「王様」です。
魚体も大きい物では2〜300kg位にまで成長します。
そのお味はと言うと、鉄分の含有率が高いのでしょうか
少し鉄臭い、また魚肉というよりも獣肉のような風味が有るとも言われます。
現在流通しているその大半は「蓄養」物です。
回転寿司やスーパーで並ぶ「本鮪のトロ」は大抵が「蓄養」です。
近年は日本近海での蓄養が盛んで、特にこれからの年末年始の時期は計画して取上げが出来る為、出荷の最盛期を迎えます。
天然物でなおかつ脂(トロ)がとれる本鮪はアイルランドや青森沖など漁場が限られており、希少価値があります。
天然物の本鮪のトロのお味は、濃厚でかつ蓄養物のような餌の味がしません。

②南鮪
南鮪は名前の通り南半球でのみ漁獲されます。
南鮪は本鮪の亜種ですから、やはり味も似ています。
魚体は本鮪ほどには成長しませんが、200kg位まで成長するものもいます。
そのお味はというと、よく「酢飯に合う」「寿司ネタとして最高」と言われます。
一流の寿司店は天然南鮪の上級品を好まれます。
トロの味は、よく焼津の業者さんが言われる通り「甘味」がありとても美味です。
また脂の一本一本の線が太く、舌の上で脂がとろけます、
南鮪も早くから「蓄養」が盛んで、主に小型魚が回転寿司のネタに重宝されています。
乱獲のせいで一時は絶滅危惧種とまで言われましたが長期に渡る漁獲制限の甲斐もあり、近年は天然物の漁獲量が増えてきました。
南アフリカ大陸最南端のケープタウン沖や、オーストラリアのシドニー沖やニュージーランド沖等、高緯度の漁場から脂物がぞくぞく日本の市場に入荷しています。
天然本鮪に比べて割安感もあり、取り扱うお店が増えています。

この年末はぜひデパ地下、駅ビル等の鮮魚店に買い物に出掛けて見て下さい。
いまのところコロナ禍は収まっていますし、このままでいて欲しいですね。
店員さんに訊いて見て下さい。
「この本鮪(南鮪)は蓄養?天然?」
これだけで、店員さんはビビります。
その上で、おすすめを尋ねてみて下さい。
多分、多少反応が違うと思いますよ。

お正月に天然本鮪のトロ、天然南鮪のトロをお召し上がりになりたい方はぜひ弊社のネットショップにてご検討下さい。
お待ちしております!