世は俗に言う「ボーナスサンデー」。
久しぶりに静岡市の街中(通称:おまち)に出かけてみました。
と言っても歩いて10分位なのですが、なかなか足が遠のいていました。
毎日ほぼ市場と職場と家の間を行ったり来たりで、これでは世の中の動向は掴めませんね。
午前中早めに出向いたのですが、道中に出会う車が「伊豆」「富士」ナンバーばかりです。
遠方から多数みえているようです。
すでに大型商業施設の駐車場がいっぱいらしく、平場のコインパーキングを探して
あっちでうろうろ、こっちでうろうろとしています。
案の定人出はかなり多かったです。
若い方が多いですが、皆さんマスクをしている以外は
ほぼ普通の生活を取り戻している感がありました。
日差しも暖かく、和やかな日曜日の風景でした。
話はガラリと変わりますが、帰りに立ち寄った自宅の近所のスーパーでは
今年から「マグロのサク」は売っていません。
代わりに置いてあるのは、パックに入った「マグロの切り落とし」です。
そのお店は駐車場もないいわゆる「小型店」です。
このお店だけでなく、昨今の食品スーパーチェーンの小型店(特に大都市圏)では
鮮魚売り場を縮小したり、売り場自体を無くしてしまう事例がかなりあるようです。
食品スーパーの生鮮品三品「青果・鮮魚・生肉」の中で、
鮮魚は一番バックヤードでの作業が煩雑ですし、お刺身を切るなど特別な技術も必要です。
魚食ばなれが進む現在、鮮魚売り場の売上ダウンが深刻な問題なのは
全スーパー共通の問題であろうと推測します。
だからといって、マグロのサクの代わりに「マグロの切り落とし」パックを品揃えすれば
それで問題解決だとスーパーの上層部は本当にお考えなのでしょうか?
町の鮮魚店が減少し、魚はスーパーで買うことが主体になっています。
その中で「安かろう悪かろう」の品揃えに特化してきたことで
美味しい魚はついぞ店頭の品揃えから消えてしまいました。
「旬」や「美味しい食べ方」の提案も、売り場からは感じられません。
食品スーパーの鮮魚部門の売上が落ちているのは、自分達で撒いた種なのです。
鮮魚部門だけではありません。
青果物は各地の農協さんが運営している「じまん市」や「ファーマーズ・マーケット」が大人気です。
野菜は鮮度が抜群で、少々規格外でも気になりません。
繁盛店は開店前から並ぶ方も多く、すぐに売り切れますから
回転も良い為、常に鮮度が良い売り場が自然と維持されていきます。
果物も「木なり完熟」で美味しさが全く違います。
鮮魚店では、主にJR駅ビル等多数の人が集まる場所の専門店が根強い人気です。
品揃えも豊富で常に店員さんが店頭におり、声出しをしながら接客に努めています。
精肉店も、鮮魚同様に専門店の売上は凄いものがあります。
要は青果・鮮魚・精肉共にお客様は
お店を日々の生活の場面場面で都度選択しているという事なのです。
近年ドラッグストアーチェーン店の台頭がめざましく
食品も加工品を中心にかなりの品揃えです。
医薬品や化粧品の販売は利益率が高いので、
各チェーンはその分食品の荒利率を意図的に下げて、
チラシの目玉として集客の武器にしています。
近所のセブンイレブンでは、近所の農家さんの朝取り野菜を販売したりしています。
もう食品スーパーだけが、食品を購入する場所ではないのです。
確かに昨年はコロナ禍の巣ごもり消費のおかげで、
大手食品スーパーは臨時ボーナスが出るくらい好調でした。
しかしそれはあくまで特需。外食産業が苦しい分が食品スーパーの特需となったのです。
食品スーパー自体が何か変革を自ら行って伸びた売上では決してありません。
おーいスーパーさん、もっと良いマグロを販売する努力をして頂けませんか?
いちマグロ業者としても、いち消費者としても
特に現在の小型スーパーの品揃えには、納得出来ないところが多々有ります。
知恵とアイデアと工夫で、小さいお店こそ
すぐにめざましい結果が出ると思うのですが…。
(生意気を申して申し訳ありませんが、愛ゆえにですので何卒お許しを。)