嵐が過ぎ去るのをただ待つ

昨日22日は水曜日で市場はお休みです。
12月は祝日が無くなり、年末の月にも関わらず
毎週水曜日が市場休みとなっています。
以前はクリスマス辺りに祝日や土日が重なると
かなり変速的な市場休みとなり、非常にやりにくい月でした。
最後の二週間位は、ほぼ休みが取れない事が多々ありました。
今年は26日の日曜日がちゃんとお休みなので、
そこで一息つけそうです。

思えば今年は冷凍マグロ業界にとって、猛烈な嵐に苦しんだ一年でした。
昨年はコロナ禍で需要が激減し、冷凍マグロの魚価は年間を通じて伸び悩みました。
それもそのはず、上物と言われる高級品のマグロを消費してくれる高級な飲食店は
コロナのおかげで軒並み休業に追い込まれていたのですから。
我々のような卸売業者も、売上の低迷に非常に苦しんだ一年でした。

魚価の低迷は、船主さんの収入減に直結します。
燃料費の高騰も影響し徐々に出漁を取りやめる漁船が増えていきます。
冷凍マグロの主要な船籍の一つである台湾の港には、休漁で係留する漁船が増えました。

今年に入り、徐々に休漁による冷凍マグロの日本への搬入減が顕著になってきました。
冷凍マグロの販売状況は依然として苦しいにもかかわらず、
供給が減ることで特にスソ物の価格の高騰が始まっていったのです。

とどめを刺したのが、台湾船の船員の主な供給元であるインドネシアでの新型コロナの大流行です。
冷凍マグロの魚価が上がったので漁を再開したくとも、今度は肝心の船員が集まらないのです。
そんな最中、日本国内では新型コロナのデルタ株の流行により
緊急事態宣言が長い期間発令され、景気の停滞が長引きました。
その後ワクチン接種が徐々に進むことで、ようやくこの秋頃から景気も回復基調に。

しかし一度落ちてしまった飲食店関連の売上は、
なかなか以前の水準まで戻るには程遠いのが現状です。
そんな逆境の中、同業他社と同様に弊社も厳しい時期が長く続きました。
特に私達が扱うマグロは、やはり「ハレの日」の商品です。
なかなか厳しい先の見えない環境の中では、売上や販売の回復は見込めません。

それでも、いつか嵐が止む時が絶対に来る。
そう信じて良いマグロを買い続けました。
新規事業にも取り組み、ホームページの作成とネットショップの運営に乗り出しました。

世界中を見渡せば、まだまだコロナの変異種の流行が続いています。
日本もいつまた同じようになるやもしれません。
そんな状態に注意しながら、また嵐と対峙する事になっても臆する事なく
己の商売にただただ邁進するのみです。