たった900g、されど900g

先日の夕方、私のスマホが鳴りました。
弊社の事務所が有る、冷蔵庫の事務の方からでした。

「申し訳ありません。0.9kg目方が合いません。」

事情を伺うと、こういう内容でした。
翌日出荷の予定の、ある商品5ケースの目方を準備していました。
在庫が全量で13ケースと少なかった為、
全部出して来て目方をチェックをしたところ
台帳より0.9kg現物が少なかったという事でした。

このような重量の差や見間違いは、実は結構あります。
3kgや5kg等、同じ重量(定貫)の商品なら
ケース数を数えるだけで、重量の間違いは有り得ません。

ただ冷凍マグロには、定貫にどうしても出来ない商品が有ります。
定貫にすると、どうしても「定貫ロス」というものが生じます。
重量が足りないのはダメなので、必ず少し多めに計量して箱詰めをします。
あまりに多く入れ過ぎると、売価に反映されませんから売上のロスとなります。
これを「定貫ロス」と言います。
特に高単価な商品や魚種、例えば本鮪や南鮪のトロなどは
定貫ロスが馬鹿にならない為、1ケース毎に重量の異なる
「不定貫商品」にせざるを得ないのです。

今回の商品は、メバチマグロの脂カワラでした。
15kg位の「不定貫」の商品です。
多分前回の出荷の際に、目方を見間違えてしまったのでしょう。
人間のやる事ですから、どうしても数字の見間違えは発生します。

このように在庫が少なくなり、全量出荷で在庫が無くなると冷蔵庫の台帳上で在庫重量の調整(出貫・目切れ処理)を行います。
あまりにひどい差の場合は、弁償してもらう事も有ります。
ただ今回はたった(というのも元の在庫は数トン単位でしたから)
0.9kg=900gですから、金額に直すと数千円です。
「以後気をつけてくださいね」という事で終わりです。

たかが900g、されど900g。
夕方の急な電話で何事かとびっくりしましたが、
すぐにキチンと間違いを報告下さるその姿勢、
こちらも見習わなくてはならないと思います。
どんな些細な事でも、直ぐに報告してお詫びする。
それが信頼関係に繋がっているのだなと思います。
つくづく良い場所に事務所を構えさせてもらっているなと
感謝しかありません。

翌日、大家さんでもあるその運送会社さんから
お正月用のマグロのご注文を沢山頂戴しました。
事務所の方や、いつも冷凍マグロを運搬されているドライバーさん達の分をまとめて注文して下さいました。
心なしか昨年より注文数が多く、ウチの社長ともども非常に嬉しい思いです。
お互いコロナ禍で大変だったはずです。

今年も一年間、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
来年も宜しくお願いします。