本マグロの大トロの部分

写真は、本マグロを下側から撮影したものです。
大きさは80kg位、愛媛県宇和島産の蓄養物です。
ちょうど「大トロ」の部分が写っているのでご説明致します。

まずは頭部の後ろ側に、半円状の「えら」があります。
その後ろ側が「カマ」です。
そのまた後ろの「胸びれ」がついている部分の下側、
この辺りが「大トロ」の部分になります。

「胸びれ」の付いている魚体の下半分には、内臓「はらわた」が有ります。
その内臓を包む腹皮のじゃばら状になっている部分を「はらも」と呼びます。
「本マグロ」とその亜種である「南マグロ」だけが
「はらも」の部分がとても厚く成長するのです。
その特別に厚い、脂の乗ったじゃばら状の「はらも」の部分だけが
「大トロ」と呼ばれるのです。
もちろん脂のあまりない「大トロ」も存在します。
しかしやはりマグロは脂が有ってなんぼの魚です。
価値の高い「本マグロ」と「南マグロ」だけが現在は養殖されています。
この蓄養物のおかげで、スーパーや回転寿司でもトロが豊富に並ぶようになりました。

日本人と本マグロの関係は、かなり古いようです。
日本近海は、本マグロの産卵場所でもあり
古くから各地で漁が行われていたようです。
江戸時代には、もう握り寿司が食されていたとの事ですが
冷凍設備などはもちろん存在しないわけですから、
痛みやすい「大トロ」「中トロ」の部分は捨てていたそうです。
「赤身」をづけにして食べていたとのことで、
なんとももったいない気がしてしまいますね。
その当時から、寿司や刺身でマグロを食べていた日本人。
やはり我々のDNAの中には「マグロ好き」という情報が
すでにセットアップされているのでしょうね。

実は事情がありまして、この年末年始を挟んだ数ヶ月間というもの
マグロのお刺身を我が家では食しておりません。
マグロ屋にあるまじき事ですが、家族が病気の治療中の為
生魚を食する事を禁じられているのです。
当然魚好きの家族ですので、禁断症状が出ております。
あともう少しで生食解禁となる見込みですので、
その際はもうたっぷりといただきます!
お刺身の写真が続く事になるかもしれません…。