西経南のメバチマグロ

写真は、昨日仕入れたメバチマグロのスライス見本です。
日本船が西経南漁場で漁獲したものです。

マグロ通と称される方々が、好漁場として最も挙げられる事が多いのが
この「西経南」漁場です。
この漁場は太平洋の中心からやや南アメリカ大陸側で、
周年メバチとキハダが漁獲されます。カジキも混じります。
赤道を挟んで北側を「西経北」、南側を「西経南」と区別しています。
北緯・南緯ともに10度位までの間ですから、冷水漁場ではありません。
海流や餌の状況が良いのでしょうか、とにかく赤身の味にコクが有ります。
そして色も西経特有の濃い(しかしスッキリとした)赤い色が特徴的です。
脂の絡み具合や色目のスッキリ感等の違いで「西経南」のほうが評価が高いです。

漁場別の色目と言いますと「インド洋は色が薄め」「大西洋は色がくすむ」と
評される方が多いです。もちろんすべてがそうとは限りません。
インド洋や大西洋でも、本当に素晴らしい色目のマグロも沢山あります。
市場のセリ場は、様々な荷主のマグロが漁場別に一覧出来る
まさにマグロの品評会の会場です。
そこで毎日様々な漁場のマグロを見続けていると、
やはり総じて上記の漁場別の特徴があるかなという位です。

逆にいくら「西経南」が良い漁場といえども、
色が濃いだけに赤黒くなってしまうマグロも有ります。
そのあたりは、やはりあくまでロットではなく
一本一本吟味しながら仕入れていく事が
一番商品の品質の安定に繋がると考えています。

そういえば創業当初からお世話になっている
同業他社の現在は会長になられた方が、
「やっぱりバチは西経南にかぎる!」とよく言われていました。
業界の大先輩でとても尊敬している方ですから、
その方のお話はストンと胸に落ちます。
「そうか、やっぱり西経南というのがいいんだな」と思いながら
少しづつ自分で仕入れて加工し、実際に食してみると
その方のお言葉の意味がよく理解出来ました。
もちろん吟味した仕入れが一番大切なのはいうまでも有りません。
みなさんももし「西経南」と書いてあるマグロをみかけたら、
ぜひ一度食べてみてくださいね。
マグロにこだわるお店でしたら、きっと販売していると思います。

弊社のネットショップでも「太平洋産」という括りで販売しています。
西経南やそのもっと下の(南緯が高い)漁場のマーケサス等が主体です。
メバチマグロの縮み脂(カワラ、サク)、縮み赤身(天身、板取)がそうです。
ぜひ一度ご検討下さいませ。