続・西経南漁場について

写真は、先日加工したメバチマグロの脂物の
天身(赤身)の部分を解凍したものです。
天身の部分だけあって、スジがなくて
まさに上赤身と言えます。
この深い赤い色こそが太平洋の好漁場
「西経南」の色です。

ここのところ俄然興味が湧いてきて
何故「西経南」は良い漁場と言われているのか?
と様々な方に聞いて回りました。
ウチの社長や市場関係者、同業他社の方々
ご教授頂き誠にありがとうございました。

総じて何故「西経南」が良い漁場と言われているのか?
という問いに、明確な答えは残念ながら有りませんでした。
ただ様々な要因らしき事は見えて来ました。

①太平洋は総じて東側の方が海水温が低い。
特に南半球は南アメリカ大陸のペルー・チリ沖の海溝が深く、海底から湧き上がる冷たい湧昇流が西経漁場に流れ込む。
その為、緯度が10度までと比較的赤道に近いにも関わらず西経漁場は低めの温度帯だと推測。
特にメバチマグロは水深の深い所に生息している為、低めの海水温の影響を受けて身が引き締まると考えられます。

②マグロは泳ぎ続ける為に大量の酸素を必要とします。
大量の酸素を体内貯蔵する為に必要なのが、ミオグロビンという色素タンパク質です。
このミオグロビンという色素の存在が、マグロの魚肉が赤く見える原因です。
より低い温度帯で泳ぎ続けるほうが、酸素を大量に必要となりミオグロビンも更に増えます。
この為、マグロ赤身の色も濃くなると考えられます。
「西経漁場は東に行けば行くほど、赤身の色が濃くなる」
業界の大先輩からのご指摘も、これらの事を鑑みればなるほどストンと理解出来ます。
南アメリカ大陸も太平洋側の海岸線に沿って、すぐ目の前に深い海溝が続いているからです。
前述の通り、海溝から湧き上がる湧昇流が冷たい海水を海底から西経南漁場に流し込んでいます。

以上、私の勝手な推測です。