日本に2本しかない木

土曜日の午後、スーパーに車で買い物に出かけた帰りに
助手席の妻が「あの木、あんまり見た事ない木だね」と発見。
ちょうど信号待ちで止まっていたのでよく見ると、
確かに5階立てのマンションのはるか上までの高さ。
木の回りには柵がしてあり、何かボードのようなものも取り付けています。
場所は静岡市葵区西草深町、浅間神社の鳥居のすぐそばです。
日曜日のランニングでよく走る場所ですが、道路から少し中に入ったところに有るので、今まで全く気づきませんでした。
早速翌朝のランニング途中に、確認してみることに。
看板には「アガティス」当マンションのシンボルツリーとありました。

アガティスというのは、東南アジア原産の唯一の針葉樹だそうです。
高級材として建具や家具に利用されており、
日本には、この木以外には長崎の出島に一本有るだけとの事。
この木は江戸時代末期、九州の大名から徳川慶喜公に献上されたもののようです。
徳川慶喜邸はIR静岡駅前の紺屋町の現在は浮月楼という有名な料亭がある場所でしたが、東海道線が開通すると、騒音を避けてこの西草深町に移りました。
その後慶喜公が東京に移り住むとお屋敷は「葵ホテル」として民間に委譲。
その建物が洋風建築だったことから、日露戦争の際には捕虜収容所として使用。
ロシア人捕虜の煙草の火の不始末により、建物は全焼。
その建物の建築に、このマンションのオーナーが関わっていた為(オーナーがいらっしゃるということは賃貸物件ですね)現在の場所に移設。2000年にこのマンションが新築された時に、シンボルツリーとしてこの木を残し、由来を記した看板をつけたとのことです。

徳川慶喜公、日露戦争等歴史上有名な単語が出てきます。
さすが静岡は徳川家の直轄地、その名の通り駿府城公園はじめ、市内には様々な徳川家由来の建物や場所があるんですね。
このマンションが出来た2000年頃は、ちょうど私が今の場所に住み始めた頃です。
まだまだ近場で新発見が続く今日この頃です。