マグロの色目の違い

マグロの色目の違いについて
ちょうど分かり易い写真が取れました。
市場で横に並んでいたメバチマグロ二本です。
今回はこの二本の違いについてお話します。
写真のメバチはいわゆる「中バチ」です。
現在は冷凍マグロの国内への搬入が少ない為、
25/40サイズも市場に出荷されています。
では一本ずつ詳しく見ていきましょう。

まずは左側です。
34番29kgの漁場は「インド洋」です。
より詳しく言うとアフリカ大陸の南部
「ダーバン」です。
アフリカ大陸のインド洋側には大陸棚と海溝があり、
マグロの好漁場が連なっています。
ソマリア~タンザニア~ダーバン~モザンビーク海峡、
マダガスカル等です。

次は右側です。
35番41kgの漁場は「太平洋」です。
より詳しく言うと南太平洋ポリネシア海域の
「タヒチ」です。
太平洋は西から東に向けて太平洋海流が有り
北半球と南半球は別々に回転しています。
南太平洋は南アメリカ大陸沖の深い海溝から
湧昇流がわきあがっていて、大陸に近いほど
マグロの色が濃くなる傾向があります。
「タヒチ」は南緯15~20度と緯度としては
それ程高い緯度ではありません。
色目が良い事で有名な「西経」漁場のすぐ横
ですので、色目も濃くなっているのだと思います。

以上の事を理解した上で写真をご覧になってください。
左の「ダーバン」インド洋と
右の「タヒチ」太平洋の色目が違う事が
お判りいただけるでしょうか?
左の「ダーバン」インド洋のほうが脂は有りますが
色は薄目の赤です。
右の「タヒチ」太平洋のほうは脂は殆ど無いですが
色は濃いめの赤です。
今回は中バチでの比較ですが、マグロは基本的に
成長するほど色目は濃くなる傾向があります。
大バチでの比較ですと、更に差が出ると思われます。

世界中の至る所の海域で回遊している
メバチマグロならではの色の違いです。
このような前情報無しに
漁場を言い当てることが出来たら
もう「マグロ通」ですね!