写真は弊社の主力商品
「メバチマグロの脂カワラ」です。
こちらはいわゆる「ベタ身」と呼ばれる
「縮まない脂」というグレードになります。
「縮まない脂」とは、
「縮＝死後硬直」が既に終わっている身質の事です。
縮みは起きませんから、脂の乗り具合は
深い脂も薄い脂も、まんま見た通りです。
冷凍状態でカワラ部分を切り口の面から見ると、
輪郭がぼやけた状態になります。

かたや「縮脂」ですと
解凍してから縮＝死後硬直が起きることになります。
解凍後に死後硬直が起きますので、
すぐに食すると「ゴム」をかんでいるような
状態になります。
まだ旨味も出ていませんので、味もあまりしません。
こういう「縮脂」は解凍したらしばらくの間
「寝かせる」工程が必要です。
その分、色持ちは良いですし棚持ちも良くなります。
冷凍状態で「縮まない脂」と同じく
カワラ部分を切り口の面から見ると、
輪郭がはっきりとしていて、色目に透明感があります。

市場の冷凍マグロのセリでは、
必ず尾を切って解凍したものを見本として並べます。
冷凍のままでは、個々のマグロの状態が
はっきりとは分からないからです。
この見本をよく観察してから、事前に下付けし
みなさんセリに参加するという段取りです。

以下まとめますと、
①解凍前
「縮まない脂」は輪郭がぼやける。
「縮脂」は輪郭がはっきりとしている。
②解凍後
「縮まない脂」は見たまま。
「縮脂」は少し脂が引っ込んで見える。
①②両方の視点から見ていかないと、
メバチマグロ本当の脂の乗り具合は分かりません。
脂の線が細くて、特に「縮まない脂」は
目を凝らしてみないと分からない場合すらあります。
この辺りがメバチマグロの一番難しいところです。
また目利きの醍醐味でも有ります。

ではどうすれば良いか？
月並みですが、とにかく沢山マグロを見て、触って
加工して中身を確認するしかないです。
まさに継続は力なりです。

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