夏の歌

今回は店長の趣味の回です。
今日で7月も終わり。夏真っ盛りですね。
「夏の歌」と言えば、洋楽邦楽問わずに
様々なヒット曲があります。
みなさんそれぞれにお気に入りの曲が
おありだと思います。

私のお気に入りは、
横浜のバンド「クレイジーケンバンド」の
2000年発売のアルバム「ショック療法」
に収録された一曲、
「本牧仕様のサーファー・ガール」です。

この曲はシングル曲でも、
ましてやヒット曲でも有りません。
収録されたアルバム自体も、どちらかと言えば
彼らの活動の初期のものです。
今現在では,契約の関係で未だ配信にも入っていない為
少々レアになってしまったアルバム中の曲です。
(このアルバムのみ、元祖渋谷系ユニット ピチカートファイヴの
小西康晴さんが作った独立系レーベル”524records”からの発売でした)
でも昔からのファンの方なら、よくご存じの
有名なレパートリーの一つです。

「東洋一のサウンドマシーン」こと、
クレイジーケンバンド(以後CKBと略します)は
1998年デビューのバンドです。
リーダーの横山剣(ケンさん)が作詞作曲する楽曲は、
ロック、ポップス、ソウル、ファンク、ラテン、ラップ、レゲエ
はたまた昭和歌謡等々のエッセンスをちりばめた
他に類を見ない独特なものです。
一番の有名曲と言えば2005年にTVドラマのテーマ曲になった
「タイガー&ドラゴン」でしょう。(最初の発売は2002年。)
私が彼らにハマったのは、ちょっと遅くて2004年。
以前から存在は知っていましたが、
完全な「聴かず嫌い」でした。
だって、なんか見るからに胡散臭そうなんですもの。
ライヴのDVDを見て「こんなバンドが日本に居るんだ!」
とびっくり仰天。数年間はそれこそ毎日聴いていました。
2009年に大手のユニバーサルミュージックと
契約してからは、何となくちょっと縁遠い存在に。
でも好きな曲、良い曲が本当に沢山あります。

この曲の魅力は何といってもイントロ。
ギターのフレーズが「切ない夏」感満載。
寄り添うようにベースのフレーズが重なります。
70’sソウルのフレーバーがたっぷりのコーラスや、
ミディアム調の楽曲のアレンジ全体が実に見事です。
まさに「日本のバンドでこんなこと出来るんだ!」です。
その演奏技術とセンスの良さにまず脱帽。

そして剣さんの1977年当時の思い出を綴った歌詞。
剣さんは私よりちょうど10歳年上ですから、
もちろんリアルタイムで共感出来る訳では有りません。
でも、彼が思い出す高校時代の夏のエピソードの断片と
当時の恋人と思い出を随所にちりばめた歌詞。
それが剣さんのとても切ない歌声で歌われると、
当時を知る由もない私の心は
なぜか強く揺さぶられるのです。
極めつけはサックスソロの後、
二番目のサビの一節です。

「ハイスクールデイズ 光る水面に
思い出の日々が砕ける
サーファーガール 君は幻
全てははかなく うつろいゆくだけ」

と歌い上げる部分です。
その切ないメロディーと共に
「過ぎ去りつつある夏」を
そして過ぎ去ってしまった「あの夏」を
猛烈に感じさせる。そんな一曲です。

CKBは色んなタイプの楽曲が有るので、
是非先入観無しに一度聴いて欲しい。
そんなアーティストです。
(ファンはその振り幅の広さがまた良いのですが・・・。)

下記リンクのライブ映像は、剣さんの地元「横浜本牧」で行った
野外ライブでのものです。
個人の方がDVDからアップしたもので、消えてしまうかもしれませんが‥。
この頃が一番バンドもパワーがあったように思います。
「蒸し暑い夜の出来事 夏が来る度一つ年を食う」

クレイジーケンバンド/本牧仕様のサーファーガール [in Honmoku Red Hot Street]