今回の写真は私たちの業界にとって、
とても衝撃的な重い写真です。
空のパレットの山。
本来ならこの中に、カツオやマグロが
満タンに入っているはず。
もちろん時期や沖の漁の良し悪しも有りますが、
やはり冷蔵庫側としては有る程度荷物が
入っていなければ収益が上がりませんし、
私たちのような加工業者にとっても切実な問題です。
(ただ弊社の商いは何百トンもの原魚を動かす
商売ではないので、このような状況下でも
あまり冷蔵庫さんに協力も出来ないのが辛いです。)
昨日は自社商品の移動と他社からの仕入れの為、
久しぶりに焼津地区を訪れました。
私が住み、かつ職場の有る静岡市のお隣が、
かつお・まぐろで有名な焼津市です。
清水港(静岡市)は、大型冷凍運搬船に転載された
輸入物(外貨)の冷凍マグロ類の水揚げが主です。
かたや焼津港(焼津市)は、大型巻き網船が漁獲した
国内物(内貨)の冷凍カツオやビンナガ(びんちょう)、
キハダマグロの水揚げが主となります。
清水港水揚げの冷凍マグロは、
ここのところ入荷が全く多く有りません。
そもそも沖の漁が低迷なのと、
燃料の高騰や船員のコロナ感染等問題が関係しています。
また上海のロックダウンや、米国西海岸の港湾の人手不足等を
原因に生じた世界的な物流の混乱も影響しています。
同じように焼津港でも、水揚げが低調との事。
カツオやビンチョウマグロ、キハダと言った
比較的安価でかつ数量を多く販売する魚種主体なので、
入荷が少ない事=港全体の収入減となってしまいます。
ぐるっと回ると、どの冷蔵庫も同じような状況でした。
現在の私たちの業界を取り巻く環境は、
おおよそ下記の通りではないかと推測します。
1.マグロ・カツオの入荷が少ない
2.原魚の仕入れ単価が上がる
3.製品の販売単価を上げざるを得ない
4.販売数量が減少してしまう
5.その結果、加工場と販売業者の収入が減少
全てがマイナス要素ばかりのように思えます。
回転寿司チェーン最大手の「スシロー」さんが、
いよいよ来月からまぐろの値段を上げるというのも、
こういう環境下であるからこそなのだと痛感します。
さて、私達はどうやって生き残っていくのか?
それぞれが知恵を絞るしか有りません。
魚が少ないならば、少ないなりに
より大切に販売していく事。
こういうピンチの時こそ
自分達の本当の力量が試されているのだと
肝に銘じ、商売に励みます。
商いはあきないですから!
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