静岡市場の冷凍マグロのセリは、
毎朝６時スタートです。
寒い冬の間はセリが終わっても真っ暗。
セリ場で体が冷えているのに、
外に出たら夜明け前の一番冷え込む時間帯。
セリの後が、実は一番キツいのです。
凍えた手を一生懸命温めながら、
車の暖房を最強に。
スマホで今朝の仕入れ報告を、
社長にLINEで送るのが日課です。

ところが今朝、いつもと同じように
セリの後に駐車場に向かうと
「あれ、なんか明るいぞ？」
そうです、明らかに夜明けの時間が
早くなってきているのです。
こういうのって、毎日少しづつ変化するので
あまりすぐには気づきません。
でもあるところまで来ると、
急にその差に気づくようになるものなんですね。

「アリとキリギリス」や「ウサギと亀」のように
ちょっとの差がいつの間にか
大きな差になっている。
ビジネスも同じだと思います。
特にマグロは「相場」があるので、
その相場に抗うことは出来ません。
冷凍マグロは超低温の冷凍庫に保管すれば
数年は品質が変わりません。
しかしその為には、
莫大な保管料を支払う必要があります。
安い時に大量に仕入れて、
相場が上がった時に販売して利ざやを稼ぐ。
そんな風に上手くはいかないのが、
冷凍マグロ仕入販売の難しいところなのです。
どんどん在庫を回転させなくては、
いくら安く仕入れても経費損に
なってしまう恐れがあるのです。

相場なりで仕入れて、相場なりに販売する。
その繰り返しで、利益を出していく。
言うのは簡単ですが、いざ実際に行うと
如何に大変な事なのか身に沁みて分かります。
だって沢山の同業の方がいらっしゃるからです。
皆さん、同じ事を考えて商売をされています。
そんな皆ライバルという環境の中、
毎日闘っています。
この競争こそが、セリそのものです。
そして利益を産む秘訣でも有るのでしょう。
だって知恵＝頭を使いますから！
これぞ最高のボケ防止でしょうか？
私もこれで当分安心です。

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