虹の彼方

今日の写真は早朝のランニング時、
出会った「虹」です。
台風が続けて来たお盆の期間。
静岡市でもその影響で竜巻が発生し、
「竜巻が安倍川の下流から上流に登る」
そんな珍しい映像も見ました。

「虹」と「竜巻」で連想したのが、
ミュージカル映画「オズの魔法使」です。
原作は1900年初頭に出版された
米国のおとぎ話です。
その後1939年に上映された映画版が
世界中でよく知られています。

映画版の冒頭に出てくる、
メインテーマ曲があの有名な
「虹の彼方へ」
”Over The Rainbow”です。

“Somewhere over the rainbow〜”
で始まる歌詞は、
「此処ではない何処か、虹の彼方に
私の夢が叶う理想の場所がある」
そんな主人公の思いが現れています。

「青い鳥症候群」と言いますか、
「隣の芝生は青い」とでも申しましょうか。
私たちは現在の自分が置かれている環境に、
ついつい不満を募らせてしまいがち。
他所と比べてしまいがちです。
此処ではない何処かで、
もっと自分は輝ける筈だと。

この歌詞と対になっている言葉が
“There’s no place like home”
「やっぱり家(うち)が一番」という
映画の最後に出てくるフレーズです。
主人公は「家に帰りたい」
そう強く願って、
オズの魔法使いに会いに行きます。
でも本当は彼女は元から
その力は持っていた。
様々な辛い体験をする事で、
ようやくその力を使いこなす事が
出来るようになった。
苦難は決して無駄では無かった。
色々な経験を経て、
ようやく「家(うち)が一番」と
心底思えるようになったのでしょう。

1939年上映とは、先の大戦前です。
大掛かりなセットと、カラーと白黒が
切り替わり特殊撮影技術も既に使用。
巨額な費用が掛かったことでしょう。
米国の国力をまざまざと
見せつけられました。

このブログを書く為に再度鑑賞。
最後までしっかり観たのは、
実は今回が初めてです。
確か学生の頃、途中まで観て
白黒からカラーになった辺りで
止めてしまった記憶があります。
「小人の世界」辺りで気持ち悪いと
思ってしまったようです。

50を過ぎて、男一人でこの映画を観ると
なかなか感慨深いものがあります。
主演のジュディ・ガーランドの「美しさ」と
米国のショービジネスの世界の「闇」。
それを体現したかのような彼女の「人生」。

才能があるが故のさまざまな苦悩。
薬物中毒の問題や幾多の結婚と離婚。
度重なる遅刻やサボりによる
映画の降板などトラブルの数々。
とても切なくなります。

ジュディ本人の人生こそ
「虹の彼方へ」の歌詞を
そのまま体現しているかのよう。
彼女自身にこそ、心安らげる
”Home”が一番必要だったはずなのに。

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