冷凍マグロのサク

写真は冷凍マグロの赤身サクです。
弊社の定番商品です。
サクの歩留まりは二割程度。
100kgのマグロから20kgしか出来ない為、
その分値段をどうしても高くせざるを得ません。
安かろう悪かろうではなく、
しっかり丸魚の状態で色選別しています。
そう、セリ場は公開の選別場なのです。

以前はマグロのサクというと、
セリ場で残った「スソ物」と呼ばれる赤身を
そのままでは売れないから
売りやすい形にして販売したそうです。

ところが現在、そういう加工をやっている
会社はほとんどないようです。
少しでも価格を安くする為、
サクまで小さくせずに、ブロック売りが主体。

ちなみに一番販売量の多い回転寿司用には、
「寿司ネタ用」という別の切り方があります。
沢山寿司ネタが取りやすいように、
出来るだけ長いサク状に切ったものです。

この赤身サクの原料はメバチマグロ。
一番流通量の多い魚種で、
日本全国で好まれています。
一番の難点は遠洋漁業の「延縄漁法」特有の問題。
それは「品質・鮮度に非常にバラツキがある」
という点です。

餌を付けた縄を長い時は100km近く、
大海原に流して行きます。
それを巻き取りながら掛かったマグロを
一本ずつ〆て凍結する。
この延縄漁法の問題点は、
遠くで掛かったマグロを処理して
凍結させるまでにどうしても時間が掛かる事。
逆にすぐ近くで掛かったマグロは、
生きの良い状態で凍結出来ます。

このように一本一本品質の異なるマグロが、
まとめて冷凍の状態で日本まで運ばれます。
水揚げされて、魚種サイズ毎に仕分けされ
冷凍庫に保管されます。
この状態でもまだ品質は「込み」の状態です。
尾切り選別をしなくては、
鮮度や脂の有る無しはわからないのです。

この尾切り選別を毎日行い、
値段を付けて販売しているのが
「冷凍マグロのセリ場」だという訳です。
(特にメバチマグロは脂も乗るので)

マグロは目で食べる物とよく言われます。
それ位に「色目」はとても大事です。
毎日数百本が並ぶ、静岡市場の冷凍マグロのセリ場。
その中のほんの数本ではありますが、
日々これは!というマグロを仕入れています。
セリ場が続く限り、私も頑張ります。
(まあ、無くなることはないでしょう!)

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