マグロの種類

黒鮪(英名:Bluefin Tuna)

(別称)本鮪、メジ、ヨコワ(若魚)
(体長)最大3m位にまで成長するものもあります
(分布地域)北海道以南の日本近海。北太平洋及び北大西洋(地中海を含む)

【特徴】
他の鮪と比べて眼が小さく、胸鰭短いのが特徴。体重は700kgになるものも。英名は生時には魚体に青みがある為。和名は死ぬと黒くなる為。日本近海は黒鮪の好漁場です。生の本鮪では青森県大間産がとても有名です。5月~7月にかけて沖縄・台湾近海で産卵し、日本近海で育った若魚は太平洋を横断し北米西岸に達し、成長しながら再び日本に戻る回遊を行います。北大西洋産の本鮪は、地中海で産卵し北部大西洋を回遊し、また地中海に戻ってきます。

【料理法等】
体の部位毎に名前がついており、それぞれ味や用途が異なります。
●腹上(ハラカミ)大トロ・中トロ・赤身→ハラモ部分が大トロで上質のトロが取れます。
●腹中(ハラナカ)大トロ・中トロ・赤身→ハラモ部分が大トロで上質のトロが取れます。
●腹下(ハラシモ)中トロ・赤身→やや筋は有りますが、上質のトロがとれます。
●背上(セカミ)中トロ・赤身→筋が強い部位です
●背中(セナカ)中トロ・赤身→皮身は上質の中トロが取れます
●背下(セシモ)中トロ・赤身→筋が強い部位です
赤身は鮮紅色で、甘味と酸味が絶妙なバランスで寿司ネタとしては最高級です。

【天然本鮪の冷凍物について】
「北大西洋海域のアイルランド、ニューヨーク」
延縄漁法で漁獲、船上でえらと腹わた取って、丸魚のまま船内で凍結→運搬
「地中海産のスペイン、モロッコ、リビア」
定置網で漁獲、船内で血抜きして内臓を取り四つ割りにして凍結→運搬

身質、脂の乗り共に北大西洋産の物のほうが上質で、日本近海の生本まぐろと比べても遜色ないです。

南鮪(英名:Southern Bluefin Tuna)

(別称)インドマグロ
(体長)最大2m位にまで成長するものもあります
(分布地域)オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン、チリなど南緯30~50度の南半球温帯域に帯状に分布し、南緯45度を中心として地球を一周する回遊を行う。

【特徴】
黒鮪よりも眼が大きく胸鰭も長い。産卵場はオーストラリアとインドネシアの間の一か所のみ。

【料理法等】
寿司種や刺身用に最適。特に酢飯との相性が良いので、高級寿司ネタとして重宝されている。特に大トロ、中トロは本鮪にも負けません。赤身の色は濃い目です。

南鮪の特徴は「甘さ」です。トロ部分は濃厚でまさにとろけるように甘く、また赤身にも上品な甘さが凝縮されています。

乱獲による資源の減少により、漁獲枠が激減。非常に手に入りにくい魚種に。小型のものを生簀で育てた「畜養物」が多く出回っていましたが、近年では資源保護政策の結果、水揚量も回復。天然物の流通量も若干増えて来ましたが、漁場も遠く搬入量も限られている為、未だ希少価値のマグロです。

メバチマグロ(英名:Bigeye Tuna)

(別称)メバチ、バチ、ダルマ(若魚)
(体長)最大2m位
(分布地域)日本近海では北海道以南の沖合。日本海は稀。その他、世界中の温帯・熱帯海域に広く分布。

【特徴】マグロ類のなかで、最も体高が有り体の厚みも有る。ずんぐりむっくりの体形。マグロ類の中で最も眼が大きい。3歳で成熟し寿命は15年以上。低温に強く、他のマグロ類よりもやや深い場所を好む。故に血栓・シミが出来やすいとも言われます。

【料理法等】
赤身は色鮮やかで旨味も濃い。鮮度の良いものは見栄えも良い為寿司ネタとして重用される。質の良いトロが取れる。主に関東圏で好まれる。冷水や大陸棚等、特殊な漁場の魚は特に上質のトロが取れて赤身の身質も素晴らしいので、市場では本鮪より高値がつくこともある。