写真は静岡市場で仕入れた
冷凍マグロの「スライス見本」です。
マグロの尾の部分を薄く切ったものです。
包丁では切れないので、
電動のこぎりで切ります。
私達はこのスライスを見て、
マグロ全体の品質を見極めます。
そして仕入れるかどうかを判断します。

品質を見極める尺度は主に三つです。
①色目
②脂の乗り具合
③鮮度

この三つにプラスして、
④身質
指で触ったりしながら確認します。

このマグロで言えば
①まあまあ
②けっこう芯まで脂が乗っている
③まあまあ
④まあまあ（悪くは無い）
という採点です。

市場で人気が高いのは
①②③④どれも評価が高い。
そんなマグロです。
でもそんなマグロは、
ほんの一握りです。
だからどうしても値段が高くなるのです。

そこで狙い目は、
今回のスライスのようなマグロです。
「脂は有るけど、鮮度はそこそこ」
こんなマグロが面白い。
だってライバルが居ませんから。
でもその代わり、このマグロを
上手に解凍して提供出来る。
そういう技術が必要になります。
幸いウチのお客様はそういうのが得意。
マグロの持つ力を
存分に引き出してくれます。

あともう一つだけ大事な視点があります。
「まあまあ」と「良くない」。
この差は非常に大きいです。
①色目が良くない場合は、
なかなかそこから色出しは難しい。
「まあまあ」だとやりようによっては、
綺麗な色が出る場合が多いです。
発色剤でも使わない限り、
一度落ちた色目はなかなか復活は
厳しいと思います。

セリ場で見て「色があまり良く無いな」
と直感的に感じるマグロは極力仕入れません。
ただ脂物にこういう傾向が多い為、
非常に頭を悩ませます。
使える脂か否か？という判断が、
実は一番難しいんです。

以上、マグロの仕入れに対する
（私なりの）極意（？）でした。

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