今回はメバチマグロの「中トロサク」についてです。
写真のトロサク、本当に美味しそうに上手に撮影出来ました。
「やっと、うまくウチの中トロを表現出来たぞ!」何かとても誇らしい気分になりました。
それ位、メバチマグロの「中トロ」良さを表現するのが難しいなあという悩みがあったのです。
それまでは、私のスマホで撮影していましたがやはり撮影技術の限界を感じ、今回はプロの方にお願いしました。
上手く撮影して下さったカメラマンさんに感謝です。
(もちろん、薬剤等は全く使用していません。自然の姿です)
光の当て具合なども関係すると思いますが、本鮪や南鮪のトロと比べるとメバチマグロのトロは派手でない為、撮影すると良く分からない事が多いです。
なんか白っぽいなぁという感じにしか写らないのです。
いわゆるお肉の「霜降り」のような脂の網目が細かくぎっしりと入っているのとは違い、メバチマグロのトロは、表層部に「じわっと」脂が回る感じです。
メバチマグロの脂物の中でも、「薄脂」と呼ばれるものが一番難しいです。
尾で見ると、うっすらと皮ぎしに脂が見えるような赤身以上、トロ未満というマグロの事です。
一見脂が薄く見えても、胴中に行ったらぐんぐんと脂が深く伸びているものもあります。
逆に、尾で脂がしっかり見えても胴中に行くと殆ど脂が無いものもあります。
脂の判別をする時に一番参考になるのが、そのマグロが釣れた「漁場」です。
実際に加工してみると、漁場での判断は大抵当たっていることが多いです。
熱水漁場で釣れたメバチは、脂が見えても線が細くて薄く、あまり脂が伸びない事が多いです。
冷水漁場で釣れたメバチは、尾で脂が薄目でも中に行くとグングンと脂が深くなる事が多いです。
今回写真に撮って頂いたメバチマグロの中トロは、大西洋の好漁場「アセンション」で漁獲されたマグロから選別して仕入れたものから作りました。
色は漁場特有の「濃い」赤色。
でも赤黒くはなくて、キレイに発色しています。
脂の線もしっかりとしており、サクの上部から中間辺りまで脂がのびています。
サクの下部のみ赤身で、その部分まで脂がうっすらとさしています。
これぞまさに「中トロ」です。
このように、白っぽいトロの部分と赤身の部分が絶妙に混じり合っているのが「中トロ」の醍醐味だと思います。
脂の部分だけの大トロや、赤身とはちがう、この混じり具合が、マグロによって千差万別なのです。
中トロは本当に奥深い。
是非、お試し頂きたい一品です。