太平洋クロマグロ

ずらりとならんだ生マグロ、壮観です。
写真は先日静岡市場に上場された、日本近海の青森県大間港で水揚げされた生の本鮪です。
夏の時期のマグロなので、脂は薄いです。
一本約80kg位と大き目ですが、本鮪は成長すると200kg位にまでなるそうです。
本鮪は別称「クロマグロ」とも呼びます。
英語名は Bluefin Tuna
鱗が青みがかっている事から来た呼び名との事。
和名のクロマグロは、死ぬと身が黒くところからきているそうです。
様々な呼び名が有りますが、マグロの王様であることには間違いが有りません。

この太平洋産クロマグロについて先日、以下の様な報道が有りました。

「太平洋クロマグロ 国際会議開始
日本は漁獲量上限20%増提案へ」

太平洋クロマグロは国際的に漁獲量が制限されています。
日本は上限を増やすよう4年連続で提案していますが、アメリカ等の反対で実現していません。
日本の水産庁は科学的データに基づき、漁獲量を増やしても将来の資源を妨げないと説明していますが、交渉は難航する見込みとの事です。

産卵の為に日本近海に来たクロマグロは動きが止まる為、旋網漁で一網打尽にされています。

例年5~6月に一斉に市場に上場されています。
脂も乗らず、旋網漁で処理もよくないクロマグロが大量に上場され、毎年売れ残ってしまっているのです。

親魚と卵を一網打尽にしているのですから、資源保護の面から見ると絶対に良くない。
そのままにしていれば、数年後には何倍もの大きさになって帰ってくるはずなのに。
この旋網漁の漁獲制限をしければ、絶対に資源回復は進みません。
水産庁はそれを分かっていながら、大手水産会社に沢山の天下りの先輩がいる為、なんの反対もしないのでしょう。

ただ単にクロマグロの漁獲量の問題ではないのです。
「どんな状態のクロマグロの漁獲量を増やすか」が最大の問題なのです。
大きく成長したクロマグロは、もちろん単価も高くなります。
数量✖️単価=金額ですから、どちらも増えて万々歳なはずですよね?
何故小さい時に漁獲して、売れもしないのに出荷する?

自然の恵みを最大限にありがたく頂戴すること。
日本近海で行われるクロマグロの親魚や稚魚の巻網漁を減らしていくことが、もっとも効果的なのです。
稚魚や、卵をお腹にもった親魚を漁獲しては元も子もありません。

今回の会議でも、本質を捉えた議論を是非進めてもらいたいと思います。