消費低調だった8月

新聞報道によりますと、7月は祝日増などで月の後半の消費は盛り上がりかけたものの8月に入ると再び低迷したとあります。
まさにそんな感じだと思います。

7月後半に開会した東京オリンピックも無観客での開催では有りましたが、テレビ観戦が広がり、宅配や持ち帰りの商品の需要がかなり伸びたそうです。

しかし8月に入ると、感染力の強いデルタ型が市中に広がり、全国的に感染者数が増えて緊急事態宣言の対象範囲も更に広がりました。(弊社の所在地、静岡県もその一つです)
百貨店はデパ地下での感染拡大に伴い、休業する店舗も出ました。
回復基調だった外食も、また二割程落ち込みました。

我々冷凍マグロ業界もそれらの影響を大きく受けて販売が伸びず苦戦をしています。
しかし原魚の入荷は少なく、高値安定がこの春よりずっと続いています。
一昨年、昨年、今年の8月の数字を比較してみます。

(東京中央市場冷バチ卸売価格)※全てキロ単価です
(2019年)高値3,240 中値1,034 安値648
(2020年)高値2,484 中値 788 安値486
(2021年)高値2,700 中値1,155 安値972

注目すべきは、一番最後の「安値」の推移です。
コロナ前の一昨年と比べると、
安値=下値は648円→972円と、
なんと324円高の約1.5倍となっています!
(こりゃ、苦しいはずですわ…)

冷凍マグロ原魚全体の入荷数量が減少しており、加工業者が通常使用している原魚が全く不足しています。(バチ40kg下、キハダ全サイズ)
巣ごもり消費で、ネギトロ・切り落とし等のマグロ加工品は販売好調です。
加工業者さん達は、仕方なくせり場のバチ40kg上の一番安い魚を使うしかなく、各社その部分だけ引き合いが強い為じりじりと価格が上がってきたのです。
逆に業務筋は飲食店の休業が響き、マグロの上物は引き合い弱く値段は伸びません。

安いものだけ引き合いが強い→値上がり
高いものは引き合い弱い→変わらずか、または弱ぶくみ

このような、非常にいびつな状況に陥っています。

しかし、ここへきて色々と変化の兆しも見えてきました。
上がったものは、必ず下がる。
すぐには無理ですが、年末までには状況も変わる可能性が出てきました。
今が踏ん張りどころです。