お盆明けの市場、久しぶりのセリです。
台風の余波で近海物は入荷が少なめ。
冷凍マグロは清水や焼津の超低温冷凍庫に
在庫がありますので、ちゃんと入荷します。

お盆明けはセリ場の上場本数も
若干絞られがちです。
お盆休み期間は冷凍マグロの
水揚げもお休みだったので、
今並んでいるマグロは当然
休み前に水揚げされた在庫です。
なので極端な相場の上げ下げはありません。

ただ「無い物相場」とでもいいましょうか？
鮮度の良い「縮み脂」物は少ない為、
軒並み引き合い強い。
全く仕入れが出来ませんでした。
赤身のスソ物（安口）を中心に
数本買うことが出来たのみです。

ちなみに現在の大バチ（４０kg上）の
スソ物はキロ700円。
豊洲市場ではキロ600円を切る価格まで
聞こえて来ます。
昨年はキロ1,000円近くまで
行った時もありましたが、
それからみればかなりの下げです。

個人的にはだいぶ販売しやすいレベルにまで
下がったなと感じます。
では下がったから売れるかと言えば
これがまた難しい問題です。

値段が下がるのには「理由」があります。
基本的には「需要と供給」の関係です。
同じ下げでも今回は、
「売れないのでジリジリと下げざるをえない」
というある種一番厄介な部類です。
供給量がガクンと減らない限り、
このパターンはそう簡単には相場は反転しません。

円安傾向が続き、物価高が進む中
冷凍マグロは輸入品が主です。
本来なら仕入れ価格は上昇するはず。
冷凍マグロだけが他の市況と
全く正反対の動きをしています。
「需要より供給が多い」からですが、
現在の需要の「弱さ」はある種異様です。
冷凍マグロ業界全体の問題です。
業界人の端くれとして本当に頭が痛い。

清水港の洋上在庫（運搬船上の在庫）は、
まだまだ有りそうです。
供給は続きそうですから、
お盆明けの相場は「弱含み」。
皆さん様子見で、スソは更に
もう一段階下げる可能性大。
私はそういう見立てをしています。

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