「鮮度」について その3

今回は冷凍マグロの鮮度についての最終回です。
もっとも数量の多い「並」についてです。

①鮮度の良いマグロ
「縮み」→死後硬直が起きている

②やや鮮度の良いマグロ
「半縮み」→死後硬直は弱め

③あまり鮮度が良いとは言えないマグロ
「並」→写真のように、全く死後硬直が起きておらず
真っ平らな切り口をしている。

ざっくりと上記三つに分けられると思います。

さてここからは、冷凍マグロの中でも市場に上場されセリにかけられる「メバチマグロ 40kg上」のみに対象を絞って、詳しく書きます。

メバチの「並」はその中にも上下にグレードの幅が有り、細かく分けられます。

a.色が綺麗なもの
b.そこそこ色が残っているもの
c.色があまりないもの
d.色がくすんで、鮮度劣化してしまっているもの

等細かく分けることも出来ます。
このあたりは、各業者さんの商品や仕入れに対する姿勢や考え方に大きく左右されます。

セリ落とされる値段についてですが、この「並」の「現在の価格」それこそが冷凍マグロ全体を左右する指標です。

メバチ40kg上は並の割合が一番多い為、並の価格が全体の単価に最も影響を与えます。

さらに、
①沖の水揚げ状況(洋上在庫)
②陸上在庫(超低温冷凍庫の入庫状況)
③販売状況(セリ、相対取引)
これら全ての需要と供給の関係の中で、冷凍マグロの相場が形成されていきます。

延縄漁船が漁獲したメバチとキハダの中で仕入れ単価が一番高いのが、メバチマグロの40kg上というサイズです。
メバチマグロ、特に40kg以上の成魚は漁場によって品質に大きく違いがあります。
漁場によっては「脂」が表層部に乗るからです。
漁場によって「赤身の色目」も異なります。
漁場を問わず「鮮度」も異なります。
脂・鮮度・色目という3つの尺度がある為、本来なら一本一本にそれぞれ違う評価を付けたい。
そこで毎日市場に上場してセリにかけ、値段をつけてもらい販売するのが最適なマグロなのです。

脂の乗った、鮮度の良いマグロの高級グレードは主に市場の仲卸業者さんが高値で競り落としていきます。
お寿司屋さんや料理店等向けだと思います。
その他にも、さまざまなグレードのマグロが毎日並んでいます。
弊社では、そのマグロの良さが引き出せるように細かくグレード分けして仕入れています。

もちろん「並」についても、その色と身質を吟味して仕入れます。
並は主に「サク」と呼ばれる形態に加工します。
お刺身用に使いやすい形態です。
創業当初からの弊社の看板商品です。
その色目や身質等、安定した商品づくりを常に心がけています。
それが長く定番商品として残っている理由の一つだと考えています。
これからも、お客様の期待に応えるべく日々コツコツと良い魚を仕入るように精進します。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。