怒涛の水揚げラッシュ

弊社の有ります静岡県静岡市の清水港では、
11月の終盤から連日怒涛の
冷凍マグロの水揚げラッシュが続いています。
11/29(月)157トン
11/30(火)366トン
12/1(水)420トン
12/2(木)582トン
12/3(金)428トン
計1,953トン

12/6(月)289トン
12/7(火)515トン
12/8(水)476トン
12/9(木)682トン
12/10(金)506トン
計2,468トン(合計4,421トン)

入力しているだけで疲れて来ました。
このほとんどが「一船買い」です(入札も少々有り)。
冷凍マグロの水揚げ現場をご存じの方でしたら、
上記の数量がいかにとんでもない数量か
直ぐにお判りになると思います。

現在清水港に入港している
大型冷凍運搬船(2~3,000トンクラス)は4隻です。
その四隻でほぼ同時に、冷凍マグロの水揚げが行われています。

漁獲した漁船がそのまま入港して水揚げした場合、
大抵一度に数百トンの数量になります。
船側にしてみれば、日本まで帰航する燃料費はばかになりません。
いきおい運搬船に転載して、また漁を続ける漁船が今は主流です。
(これとは別にコンテナ輸送という手段も今は増えています)

今回の水揚げは、小型のマグロ漁船が遠洋で漁獲し
大型冷凍運搬船に転載して運ばれてきたものを
上の荷物から順番に水揚げしていくものです。
各船の漁獲明細を元に、魚種サイズ別に計量を行い
トラックに積み込みます。
同時に脂の有無の選別や、品質のチェックも行います。
今回は船数が多く、各船ごとに水揚げ~集計~値決めをしますから
非常に手間がかかります。
水揚げ作業自体にかかる時間は魚のサイズにもよりますが、
大体一時間におおよそ40トン位が目安です。
トラックに積み込みが終わると、トラックは各指定された超低温冷凍庫に向かい
マグロを入庫する作業をせねばなりません。
あまり夕方遅くになると、冷蔵庫が閉まってしまうので
ある程度2~3時位には水揚げ自体は終了しておきたいものです。

台湾船など外国の貨物(外荷と言います)は値決め終了後、
買主は関税を支払い、通関を待ちます(早くて一週間位)。
通関後、ようやく日本国内での販売・流通が可能になります。

日本船籍の貨物(内荷と言います)は、関税を支払う必要が有りませんので
売買が成立した後、すぐに販売・流通が可能です。

では何故今これだけ水揚げラッシュなのか?
もうお分かりですね。今外荷を水揚げすれば、
通関が切れるタイミングを考慮しても
ぎりぎり年末のセリ場に出荷出来るのです。
年が明けたら、高い冷凍マグロは売れなくなります。
一年で一番の需要期が過ぎてしまっているからです。
今水揚げしている冷凍マグロの漁場は、良い漁場のものが多く
年内に出来るだけ販売したい。
そんな思惑が見え隠れする、怒涛の水揚げラッシュの師走なのです。