スーパーの鮮魚売り場が日本の魚食文化を駄目にした?

今週の「現代ビジネス」(雑誌週刊現代のネット版です)の記事です。
タイトルは少々異なりますが、とても興味深い内容でした。
私の着けたタイトルはやや挑戦的なもので、気分を害された方がいらっしゃるかもしれません。
特に現在スーパーにお勤めの方やその関係者、または納品業者さんには大変失礼な物言いかもしれません。
執筆者は共同通信社の水産部部長の川本大吾氏。
大手スーパーの水産仕入を長く務めた小谷一彦氏のコメントが多数引用されています。

私自身、大学卒業後約8年程スーパーに勤めていました。
はるか昔の事ではありますが、スーパーの販売の現場は
良く知っているつもりです。
そんな私も、読んで非常に頷くところが多かった記事でした。

記事を要約すると、「町の鮮魚店が徐々に衰退し、スーパーの鮮魚売り場が魚を主に購入する場となった。
品質や価格の安定を重視したスーパーの鮮魚売り場の品揃えは、次第に売る為に安さだけの追求となる。
ちょっと値は張るが美味いという商品は徐々に排除されてしまった。
店員は常にバックヤードに居り、品出しの時以外に店頭でのお客さんとのコミュニケーションもない。
町の鮮魚店で行われていた「旬」や「食べ方の説明」等もなくなり、安いが美味くはない魚ばかりが店頭に並ぶこととなった。
その結果、精肉に比べて鮮魚の売上と販売数量はどんどん減少してきている」というものです。

特にマグロについての下記の記述も、とても共感出来るものでした。
「スーパーの鮮魚売り場では、価格訴求に走るあまり中バチ(25/40kgサイズ)が取り扱いの中心となった。
マグロは本来、大きく成長した方が脂が乗り味も良い。
しかしそんなマグロは品揃えせず、安かろう悪かろうばかりの売り場となり、販売量も減るばかり」

今私が毎朝目を皿のようにして買い付けしているマグロこそ、この大きく育った「大バチ」(40kg以上)です。
写真の市場に並ぶ大量の冷凍マグロ、これが「大バチ」です。
厳密に言えば、マグロの水揚げ地であるここ静岡市やマグロにこだわりを持つスーパーでは「大バチ」を品揃えしている店舗も多いです。
しかしながら、特に今年の春頃からの冷凍マグロ相場の急騰を受けて、「中バチ」の品揃えが特に大手スーパーでは主流となっています。
これらはもちろん「赤身」についての事で、トロについては天然物は仕入が安定しない為「畜養物」の取り扱いが主流となっています。

では、美味しい天然物のトロは何処に行けば手に入るのか?
昔は日本中どこでも、町の鮮魚店に行けば買えました。
記事の通り鮮魚店は衰退し、現在のスーパーは自分自身の手で「安かろう悪かろう」という品揃えばかりにしてしまいました。
美味しいものは、やはり値段もそれなりにしますし、販売するには手間も掛かります。
また食べ方の説明や、商品説明も不可欠です。
町の鮮魚店は「日本の魚食文化を支える」そんな重要な役割を担っていたのです。

弊社が直接消費者の方々に冷凍マグロ製品を販売し始めたきっかけも、「ウチのマグロ、絶対にスーパーでは売っていないよな。だったら直接自分達で販売しよう!」という考えからです。
美味しいマグロは、昔も今も市場にゴロゴロ転がっています。
今はそれがなかなか直接消費者に届きにくい。
そこで弊社のような会社の出番です。
少規模だからこそ小回りが効きます。
物流はヤマト運輸さんが日本全国どこでも届けてくれます。
なかなか一足飛びには行きませんが、着実に前に進んでいる。
そんな事を思う、師走の休市の早朝です。