マグロの価格高騰の影響

写真は先日撮影した「早朝の虹」です。
冷凍マグロの競りの後、市場裏の駐車場に向かうと、
西の空に丸くクッキリと虹が出ていました。
ちょうどスコールのような雨が降った後でした。
朝から虹を拝めて、何ともラッキーです。
朝の市場は皆さん忙しく働いていらっしゃるので、
すぐ後ろ側に大きな虹が出ているのに
全く気付いていない方もいらっしゃいます。
そういう身の回りで起きた小さな「運」に
気づくことが出来るって幸せなことだな。
忙しい中でも、常にそうありたい。
そういう自分でいたい。
昨年家族が大病した為でしょうか、
最近よくそう思います。

さて、先日こんなニュースを目にしました。

シウマイ弁当 ※焼き魚変更 – 崎陽軒 (kiyoken.com)

一日の販売数量が日本一、いや世界一ではと言われる
皆さんよくご存じの横浜「崎陽軒」さんの「シウマイ弁当」。
付け合わせに「鮪の漬け焼」が入っているのは、
ご存じでしょうか?
私も業界柄、良く存じ上げております。
味付けも美味しくて、お肉中心のシウマイと
おかず的にもちょうどバランスが取れています。

崎陽軒さんのホームページによりますと、
「原材料の鮪の必要数量を確保することが難しく、
2022年8月17日~23日の間は、
鮭の塩焼きで代用となります」との事です。
冷凍マグロの高騰の影響が、
遂に日本一の販売実績を誇る駅弁にまで
出てくる事となりました。
それ位、原料の不足が深刻な問題なんですね。

原材料の「鮪」というのは、
まずは魚種としてはキハダが殆どだと思います。
お弁当の材料としてのマグロは、
加熱調理(この場合は漬け焼き)する事が大前提です。
弊社がお取り扱いしている「刺身用」マグロとは、
全く別の部類となります。

一番近いのは「缶詰用原料」のマグロでしょうか。
「缶詰用」もイコール「加熱用」のマグロです。
大型旋網船が漁獲したキハダやビンチョウ、カツオ。
これらが缶詰「ツナ缶」の原料になります。
厳密にはマグロはtuna,カツオはskip jackですが
缶詰になると「ツナ缶」と同じ表記になります。
(原材料名に魚種が明記されています)

ツナ缶は世界的な需要があります。
そもそもマグロを刺身で食するのは、
日本をはじめとしたごく限られた地域のみです。
「ツナ缶」は世界的に需要が旺盛で、
特に「戦時」には引き合いが強くなるそうです。
(今回はウクライナ危機が起きています)

世界的にマグロ漁が不漁なのは確かのようです。
旋網船もなかなか漁獲量がまとまらず、
価格が高騰を続けています。
さらに今回は円安傾向で、かつ燃料費の高騰の問題も
平行して起きています。
こうなると、少々の水揚げ量の増加では
なかなか原魚価格は下がらないのが現状です。

それらが影響し、安い価格帯のマグロ(加熱用)
が不足している事が今回の崎陽軒さんの件の
原因だと推測します。
刺身用と加熱用では、極端に原魚価格が異なります。
刺身用のマグロでは、付け合わせには使えないのです。
また崎陽軒さん向け商品の加工形態は
「非常に細かいサイコロ状」とかなり特殊です。
基本的にマグロの原魚加工の「加工賃」は
形態が細かくなればなるほど手間が掛かる為、
単価も高くなります。
「出来上がりの商品」に対して加工賃が発生する為、
加工に掛かる経費面からも安い価格のマグロでなければ
見合う商品は作れない事になります。

マグロ漁をする側とすれば、
出来るだけ高く売りたいのは当然の事でしょう。
凍結処理が間に合わない位に大量に漁獲すれば、
とにかくお金に変えようと少々雑になる事も有り得ます。
加熱用でしか通用しないマグロも出てくる可能性が有ります。

しかし現在のように沖の漁が総じて低調な場合、
出来るだけ良い処理をマグロに施して、
価格の維持に勤めるはずです。
そもそも漁獲量が少ない訳ですから
品温も上がらず、良い処理が可能となります。
ますます「加熱用」マグロは少ない。
という事になりますね。
当分の間、安定供給は難しいのではと推測します。

刺身用のマグロは、大丈夫です。
本鮪、南鮪、メバチマグロ等
たっぷり有りますよ!
(若干の値上がりは何卒ご容赦下さいませ)
心配などせずに、いっぱい召し上がって頂きたい。
マグロ屋からの切なるお願いです。

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