トンボマグロも高騰

先月末、私達マグロ業界の人間にとって
驚くべき単価での冷凍マグロの入札が有りました。
私が住む静岡市の隣、焼津市の魚市場で
6/29に焼津魚市場で行われた
B-1東沖トンボマグロの入札結果です。
何がびっくりって、赤身(ガリ)のトンボなんですよ!
それでこのお値段!ほとんど冷凍メバチマグロと
変わらない単価なんです。

(以下、入札の詳細です)
船名:3協洋丸 27トン
漁場:N(北緯)32-33度、
E(東経)137-142度
サイズ別価格:(カッコ内は明細上の数量です)
10上(10トン)@900
7上(15トン)@950
4上(2トン)@550
変形キズ4上@700
キズ4上@400

ちなみに全てキロ当たりの単価表記です。
B-1というのは「一本釣り」のことです。
カツオで有名な「一本釣り」は、文字通り
漁師さんが釣竿で引っ掛けるようにして
一本一本釣り上げる漁法のことです。
「旋網」と違って鮮度が良く、
表面の擦れなども少ない漁法です。
その代わり時間と手間が掛かります。
凍結の方法は「一本釣り」「旋網」どちらも同じです。
漁船の中にある大きな「かめ」の中にブライン溶液を入れて
その中にカツオやマグロをドボンと浸けて凍結します。
この凍結方法により、「旋網」漁法で漁獲された
カツオ・トンボ・キハダはB(ブライン)と表記されます。
「B-1」とか「PS」という表記は
「かめ」に満タンに魚を入れるのではなく
ある程度「数量を絞って入れて凍結した状態」
の事を指します。
こうする事で品温が直ぐに下がり、
鮮度が良い状態で凍結出来ます。

基本的な品質基準として、
B=缶詰用、加熱用
B-1,PS=刺身用
と考えて良いと思います。
ただ凍結技術の進歩により、Bの中でも
鮮度の良いものは刺身用に流用しているのが現実です。
(スーパー等で見かける、安売り用のカツオたたき等)

今回の入札結果に戻りますと、
B-1ですから「刺身用」のグレードです。
東沖漁場ですが、本州の下あたりですから
まだ脂はほとんどありません。
いわゆる「ガリ」です。
それで一番良いサイズ7上(7〜10kg)で
@950というのは非常に高いです。
単純に歩留まり半分とすると
単価@1,900
加工賃や諸経費を足すと、コストだけで
キロ2,000円を
ゆうに超えてしまうのです!

その後の情報によりますと、
今回の入札はある缶詰業者さんが
「上限なしでとにかく押さえてほしい」
という意向で入札したようです。
まさに「無い物相場」ですね。
困るのは、今後の入札相場がどうなるかです。
このままこの相場で行くのか?
はたまた以前の相場に落ち着くのか?
この次の入札に俄然注目が集まります。

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