天然物ならではの難しさ

写真は今朝市場で仕入れた、
メバチマグロの尾スライス見本です。
今日はマグロはこれで一本96kg。
じんわり脂の乗った良いマグロだと思います。
鮮度はぐりぐりの縮みではありませんが、
良いほうです。
色目は濃いめですが、
黒く変色はしないと思います。

このように私達仕入れ業者は、
この見本だけを頼りに
マグロの評価付けをします。
1.鮮度は?(縮み~半縮~並)
2.脂の乗りは?(深い~そこそこ~薄目)
3.色目は?(濃い赤~明るい赤~薄い赤)
これらを一瞬で評価していきながら、
一本一本に値段を付けて行きます。

もちろん三拍子揃ったマグロが
一番高い評価を受けます。これに更に
4.大きさ
(大70kg以上)~(中50~60kg)~(小40kg台)
メバチマグロ40kg上のサイズでも
このように大きさ毎に好みや用途が異なります。
小さ目から中間サイズの物が
一番好まれますし値段も高くなります。
その理由としては、トロと赤身の部分のバランス
これに尽きると思います。

あとは余りに魚体が大きすぎると、
一度に使い切れないという面も。
よくセリ場で魚屋さんが
「こりゃでけえマグロだ!」
と声を上げていらっしゃる事があります。
確かに90kg以上も有れば、
大抵の人の体重以上ですものね。
でも弊社のような加工する前提で
仕入れている業者からすれば、
大きい事は=歩留まりが良いのです。
もちろんシミや傷のリスクは有りますが。
(ちなみに今まで仕入れたので一番の『ハズレ』は、
確か100kg位の大物。そのうち約4分の一の背一節が、
ほぼ全部真っ黒いシミでほぼまるまる使えなかったという
苦い思い出がございます。)

それに写真のように、メバチマグロの脂は
薄くほんのりと乗るので分かりにくいのです。
大先輩の魚屋さんや業者さんが、
メガネを外して目を凝らしてみたり、
懐中電灯で照らしているのは、
やはり脂が見えにくいからだと思います。
みなさん思い思いのスタイルで下付けして、
いざ競りの開始です!
他の人には分からない、そのマグロの良さを
見つけてあげると、運良くウチに来てくれることもあります。
それが天然物ならではの難しさ。
そして楽しさだと思います。
毎日、楽しいです!

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