写真は天然南鮪の中トロサクです。
天然南鮪サク・中トロ(2kg入り)

南鮪というと、マグロ問屋の私などからすると
「焼津」というイメージがあります。

今でこそ自分の毎日通う静岡市場でも、
連日多くの天然南鮪がセリに掛けられますが、
以前は殆ど有りませんでした。
天然南鮪というと、40kg以上の大物は
築地（現在の豊洲）に並ぶものでした。
15kg上の「小インド」はというと、
焼津魚市場で沢山並んでいるもの
というのが一般的でした。

大衆的なメバチマグロと違い、
希少性の高い天然南鮪は
お寿司屋さんや業務筋向けが中心で
一般の魚屋さんや消費者には
ちょっと縁遠い魚種という
位置付けだったように思います。

蓄養物（本鮪・南鮪）が出回るようになり、
商社系大手のマグロ問屋やその他の業者さんは
その取り扱い安さから「トロ商材」としては
蓄養物に特化して行きました。
値は張りますが、均一なトロが取れる為
大手スーパーや量販店、回転寿司チェーン向けには
ぴったりだったのです。

逆に天然物は、市場流通に特化していきます。
問屋への相対取引よりも、
市場でセリにかけるほうが
手っ取り早くお金になりますし、
目利きの眼力によって良い評価が
得られることも多いからです。

魚体の大きさと価格面も有り、
天然本鮪はやはり大都市圏、
特に東京の豊洲市場がメインになります。
天然南鮪は、本鮪と比べると若干小さめ。
価格も全体的にやや安めなので、
地方市場である静岡でも流通が増えて来たのです。

現在の静岡市場では、品揃えとして
なくてはならないアイテムにさえなっています。
そのお味はというと、やはり
メバチマグロのトロとは一味違います。
甘くてコクがあって、味に深みが有ります。
酢飯が合うと良く表現されますね。
お寿司屋さんが好んで使うのもよく分かります。
ちょうどこれから年末年始に向かいます。
よし、ここはひとつ奮発して
天然南鮪の中トロサクはいかがでしょうか？
味は最高ですよ！
是非一度お試しあれ！

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