アンバランス

冷凍マグロ業界で昨年から起きている現象。
高級魚である「本鮪」「南鮪」の暴落です。
正確に言いますと「本鮪」とは、
地中海産の「畜養本鮪」の事です。
現地でロインやフィーレの状態で凍結されて、
運搬船や冷凍コンテナで輸入されます。
一昨年までの高値続きの反動で、
昨年秋に大手業者がキロ数千円単位での
卸売価格の値下げを実施。
各社右にならえで相場が暴落しました。
その後、大手回転寿司チェーンや
量販店での安売り合戦が続いています。
もう一つの「南鮪」とは、
インド洋・太平洋の「天然南鮪」のことです。
こちらは乱獲の為、一時は絶滅危惧種とまで
言われた希少性の高いマグロです。
近年は漁獲量が復活。
天然物は脂物と赤身の個体差が激しい為、
市場に上場してセリにかけるのが一般的です。
その価格が昨年と比べ、明らかに下落。
理由は様々だと思います。
先に述べた「蓄養本鮪」との競合。
これも確かに影響はあるのでしょう。
更に一連の物価高による景気の停滞。
この影響もかなりあると感じます。
本当の上物は変わらず高いです。
高級寿司店等の需要は底堅いからです。
しかし上物の本数は限られます。
それ以外の中間物の値段が、
以前よりも伸びないのです。
入荷増だけでは説明がつきません。
逆にメバチマグロの赤身の最安値、
いわゆるスソ物の価格は安定しています。
一説には大手の回転寿司チェーン向けに、
安い原料を集められているとか…。
(本当かどうかは分かりません)
三月の後半に入り、清水港には
大型の冷凍運搬船の入荷が続いています。
供給が増えると価格が下がりそうな
ものですが、いまのところ堅調です。
「上物」と「スソ物」は堅調。
中トロ商材としての「蓄養本鮪」と
「天然南鮪」の価格が伸びない。
そんなアンバランスな状態です。
各魚種別の需要と供給ではなく、
「中トロ」と「赤身」という
用途別の問題なのかもしれません。
要は「中トロ」商材の供給は多いが、
景気の停滞により需要がやや弱い。
外食の売上は復活してきているので、
赤身の需要は今のところ堅調。
赤身はだぶだぶにならない限り、
相場の下げはなさそうな気配です。
なんとも身動きが取れない。
そんなアンバランスな相場環境です。

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