前回の続きでマグロの「赤身」その3です。
前回は「天然南鮪」についてでしたが、
『天然本鮪」の「赤身」について書いてみます。
「南鮪」と『本鮪」の大きな違いとして、
彼らの生息する「漁場」が異なる事です。
(マグロは一生泳ぎ続けるので、正確には泳いでいるですね!)
「本鮪」は北半球(日本近海と北太平洋、北大西洋)
「南鮪」は南半球(オーストラリア、南アフリカ、南米等)
とはっきり分かれています。
共に緯度が高い程脂が乗り、肉質も良くなります。
日本から遠く離れた、非常に海も荒れる漁場なので
漁師さん達も命がけです。
漁に掛かる燃料費等のコスト高と、その希少性とが相まって
どちらもメバチマグロやキハダマグロと比べて高価な魚種です。
「お前はマグロ屋だから、なんでも美味しいって言うんだろ?」
と言われるのを承知の上で申しますと、
「はい、それぞれ独特の風味が有って美味しいですよ!」
正直言って、本鮪は「獣肉臭い」「血の味がする」と批判される事も有ります。
特に「トロ」は美味いけど「赤身」はちょっとなーと言われる事も。
(それには「漁法」や「処理の技術」が大きく関わっていますが、
説明すると長くなりますので別の機会に。)
もちろん本鮪も南鮪も、その貴重な「トロ」の部分を求めて
業者の方々は仕入販売されています。
しかし、前回もお伝えした通り
「良いマグロの赤身」は格別に美味いです!
皆さんよくご存知のお正月の風物詩「マグロの初セリ」
ご祝儀相場で、一本数千万以上の値がつくことも。
青森県大間産の「生」本鮪です(大間とは漁港の名前です)。
「漁場」はもちろん日本近海ですから、脂が乗る旬は秋から冬。
数年前、その大間産の本鮪を運良くまとめて仕入れる事が出来ました。
夏の時期の物ですが、ほんのり脂もさしています。
ただ生マグロを凍結させたものなので、
通常の「生」とも「冷凍」とも異なる為
上手く解凍するのが非常に難しい状態でした。
サンプルを取り寄せて社長と試食。
二人で顔を見合わせ「この赤身、トロより美味いぞ!」
多分、海水温や餌の豊富さからなのでしょう。
「大間の本鮪」の人気の秘密がよく分かりました。
以前もご紹介した、弊社の得意先の
静岡県藤枝市の「田中水産」様にお話しすると
ちょうど周年記念セールの目玉商品を探していた為
「やりましょう!」と即断。
念のため「産地証明書」も入手し、
「赤身」を主体に「トロ」も少しのせたどんぶりを考案。
おかげさまで大盛況となり、瞬く間に完売しました。
もちろん「大間の本鮪」の持つ本物の赤身の美味さと
店主の解凍技術のなせる技です。
その後、なかなか良いチャンスが現れず
昨年はコロナ禍で、弊社の主な得意先様である
「飲食店」「ホテル・旅館」皆さんが厳しい状態に。
でも今年は厳しいなりに、お得意先の皆様も懸命に努力され
新しい事にチャレンジされています。
「大間の本鮪」に代わる新たな商品として、
北大西洋のアイルランド沖で釣れた「天然本鮪」を
仕入れて加工販売を始めました。
天然本鮪の最高級品です。
「アイルランド」産の本鮪、これまた「赤身」が激ウマ!なのです。
凍てついた海に揉まれ、肉質が非常に引き締まっています。
もちろん大トロ、中トロはこれぞ本鮪。
マグロのチャンピオン!
て感じです。
コロナ禍のせいで、高級魚の売れ行きが厳しいのを逆手に取って
弊社も高級なマグロにチャレンジしています。
田中水産様でも販売始めました。おかげさまで大好評です。
アイルランドの本鮪、是非一度食べてみてください!
(弊社のネットショップでも近々発売します。
もうしばらくお待ちくださいませ。)
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