日本全国に流通しているマグロですが、各市場やその地域毎に好みや特色が有ります。
それぞれ取り扱うマグロの魚種やサイズ等、微妙に異なりますので今回はそのあたりをまとめてみたいと思います。
以下の記述は、あくまで「そんな傾向がある」という事で、もちろん例外も多々ある事は何卒ご了承くださいませ。
東京「豊洲市場」
世界中から生・冷凍を問わずな様々なマグロが集まります。
冷凍マグロでは、メバチの50~60kg位が好み。デカいのは嫌う。
神奈川県三浦半島の「三崎市場」
メバチの脂物主体のセリ。脂の深い上物が好まれる。
加工筋への販売がメインなので、サイズにはそれほどこだわらない。
静岡県
「静岡市場」
大バチ40~50kg位の縮脂、色がキレイなのが好み。
清水区(旧清水市)は脂優先。少々鮮度や色に難有も可。
「浜松市場」
冷凍マグロのセリは、バチ15/25サイズがセリに掛かります。
社長の地元、中遠地区ではその下の10/15サイズが好まれていました。
一本使い切り出来る、小さ目のメバチマグロが好まれます。
漁場は太平洋の「北沖」等、身質が良く脂も乗る漁場が好みです。
山梨県「甲府市場」
希少品のキハダマグロの脂物が好まれます。
北陸三県(福井・石川・富山)
「福井市場」「金沢市場」「富山市場」
「マカカジキ」「黒皮カジキ」「白皮カジキ」「バショウカジキ」
等が昔から好まれ流通してきました。
カジキマグロと呼ばれますが、マグロとカジキでは種類が異なります。
カジキは色変わりが少なく、脂が乗ったものはとても美味です。
北陸は海の幸が豊かですが、冷凍マグロの基地である静岡とはちょうど日本列島の裏側にあたる為、物流面では行きにくい場所です。
こと冷凍マグロにおいては、昔から変色の少ないカジキが選ばれて届けられていた事に起因すると思われます。
愛知「名古屋市場」
生のキハダマグロが主流。生の代替品として冷凍のキハダマグロの鮮度の良い尾切(縮)が好まれます。
名古屋はキハダが主体の市場です。
大阪
関西はあまり詳しくありません。申し訳ありません。
大型のマグロを好むと聞きます。
例えばメバチマグロの100kg以上等。
(余談ですが、果物も関西は大玉を好むそうです。現実的とでも言いましょうか、大きい方がお得と考えるむきも)
四国・四国地方
瀬戸内の海の幸が豊富な地域。高知県はカツオのたたきで
有名ですよね。カツオを良く食べる地域です。
どちらかと言えば、昔から西日本はあまりマグロを食べない地域でした。
九州
実は店長の私の出身地は大分県大分市。
関サバ・関アジで有名な佐賀関に近いところです。
子供の頃から、マグロを食べた記憶が殆どありません。
海のそばなのですが、なんと鶏肉を刺身で食べる地域。
魚屋さんは無くても、鶏肉屋さんが近所にあったのを
覚えています。
そんな九州でも、現在では近隣に本鮪の養殖場が増え、そこから定期的に九州の各市場に生の畜養本鮪が流通するようになりました。
もともとはあまりマグロを食べる地域ではなく、白身魚を好む地域です。
北陸同様、物流面での問題もあり、色の有るカジキが好まれていた時期もありました。
東北
三陸沖はリアス式海岸も有り、海産物の宝庫です。
気仙沼など有名な港も多く、戻りガツオでも有名です。
生マグロや生カジキの産地でもあり、マグロは質の良いものを食べなれている地域です。
北海道
全く詳しく有りません。
申し訳ありません、今後勉強します。
以上、ざっくりとですがエリア別に好まれるマグロの特色をまとめてみました。
書き出してみて、あらためて自分の不勉強を痛感しました。
特に関西、東北、北海道ですね。お恥ずかしい限りです。
日々更に精進します。