まぐろの熟成とは?

お刺身は「鮮度が命」とよく言われますが、果たしてそうでしょうか?
お肉にも「熟成」という工程があるように、マグロのお刺身も「一晩寝かせた方が美味しい」という事が多いのです。

生マグロの場合は、すでに流通過程で熟成が進んでいますので早く召し上がっていただいた方が良いと思います。

冷凍マグロの場合、凍結される前のマグロの状態により、解凍後の対処法が変わってきます。
これが分かっていると、マグロのお刺身をより美味しくお召し上がりいただけます。

①鮮度の良い「縮み」のマグロの場合
「縮み」とは死後硬直です。
漁獲されたマグロが直ぐに凍結されている証拠です。
死後硬直が起きる前に、急速に凍結されているので
「解凍後」に死後硬直が起きているのです。
この場合は、そのまま食べても味がしません。
まだ旨味成分が出ていないからです。
オススメな解凍方法は「食べる前日に解凍して、冷蔵庫で寝かす」。
冷蔵庫に凍ったままのマグロサクを入れて、時間をかけて解凍するのではなく
(緩慢解凍)→✖️
人肌位のぬるま湯に数分浸け、急速に解凍した方が良いです。
(急速解凍)→○
ペーパータオル等でマグロのサクの表面の余分な水分を拭き取りラップにくるんで、冷蔵庫で一晩寝かします。
こうする事で、マグロの魚肉の熟成が進み旨味成分が出て来ます。
特に鮮度の良い「トロ」は、旨味が増します。
もちろん「赤身」も美味しくなります。

②鮮度が「並」の場合
漁獲されて凍結される迄に時間がかかっています。
その間に熟成が進みますので、解凍後は直ぐに召し上がっていただいて大丈夫です。
旨味も出ています。

もし冷凍マグロを購入されて、解凍後に「ちぢれ」が起きた場合は
一晩冷蔵庫で寝かす事をオススメします。
死後硬直が終わると、その後熟成が進み旨味が出て来ます。
その一手間が、マグロのお刺身をより美味しくするコツです。