マグロ好き

今年最後の天赦日、昨日も変わらず市場に出向きました。
市況も変わらず盛況です。
各仲買さんは、注文がよく入っている様子で質の良いマグロはどんどん競り上がっていきます。
これこそが相場のバロメーターです。

せり人は出来るだけ値段を高く上げたい。
仲買さんをはじめ買参人の方は、良い魚を出来るだけ仕入れたい。
注文をさばく為には、少々値段を上げてでも数を確保したい。
末端の販売が堅調であればこそ、セリ値は上がっていくのです。

現在の入荷状況ですが、南半球の特殊漁場と呼ばれるケープ、フリーマントル、ニュージー等の質の良いマグロが多く市場に入荷しています。
サイズは40kg〜50kg位で、
大バチの中では小さめなもので仲買さんや魚屋さんにすれば使いやすい大きさです。
このあたりの漁場は、冷水漁場ですので身がしっかりとして脂も深くのるものが多いです。
逆に弊社のような加工業者には価格面・品質・サイズどれをとっても不向きな「良いマグロ」ばかりでなかなか苦しい局面が続いています。
魚が良すぎるんですよね〜!

近年入荷が増えている天然南鮪については基本的に
豊洲市場→大きいサイズ(40kg以上)
焼津魚市場→中位のサイズ(30kg台中心)
静岡市場→小さいサイズ(20kg台中心)
と各市場で流通しているサイズが異なります。
天然南鮪は冷凍マグロの中でも高級な部類ですので、各エリア毎に一度に使い切れる量が異なるという事だと思います。

弊社のように加工する為に冷凍マグロを仕入れる立場としては現在の市況は正直辛い相場です。
しかし、本来の市場での流通の形態であった「丸魚のままでの流通」という面でみれば、メバチマグロも天然南鮪も小さめの特殊漁場物の良いマグロが多数並んでいますから、魚屋さんや仲買さんにとっては近年稀に見る良いセリの環境とも言えると思います。

マグロ好きとしては、見ているだけで惚れ惚れするマグロがごろごろ並んでいる状態です。
久しぶりに、店頭にどんなマグロが並んでいるか近所の魚屋さんを覗いてみたくなります。
コロナも落ち着いた事ですしね!
今年の年末は、消費の爆発に期待です。