十二双川

写真は静岡市の市街地を流れている
十二双川(じゅうにそうがわ)です。
静岡平野の各所に見られる安倍川地下水(伏流水)
の自噴帯の一つだそうでで全長は約3km有ります。
以前ランニングをしている時に偶然出会いました。
その時は写真を撮り忘れたので、
今回は忘れずに撮影してきました。

説明文にもあるように、昔はもっと川幅が広く
駿府城を作る時の水路として利用されたそうです。
駿府城の内堀、外堀の石は何十万個。
主に下流の瀬名地区で採石されたものを、
この水路を使ってお堀まで運んだとのことです。
水深が浅いので、船を皆で引っ張って運んだそうで
昔の人は本当に働き者ですね。
トラックもクレーンももちろん有りませんから
なんでも人の手です。
船は作っていたでしょうから、
このような水路は非常に便利だったことでしょう。

私が初めて静岡市に来たのは1988年の春です。
今からもう30年以上も前のことです。
当時とてもびっくりしたことは
JR静岡駅前のメインの商店街の地下街で
至る所で水が流れていることです。
もちろん下水道では有りません。
これこそが安倍川の伏流水なのです。
水路に蓋がしていますので、流れる水の姿は
見ることが出来ません。
しかし地下街を歩くと、明らかに水が流れる音が
はっきりと聞こえるのです。
静岡市役所(現在は葵区区役所)前には
ちゃんと小さな川として地上を流れています。
街中に大型のビルを建てる時には、
地下水を抑えることが最優先事項と
聞いたことがあります。

それ位に水が豊かな静岡市は、
水道水も本当に美味しいです。
そのまま飲んでも全然平気です。
それもそのはず、水源地は沢山有り
安倍川の上流から直接引くのではなく
すべてこの伏流水だということです。
徳川家康がこの地を選んだのも、
この水の豊かさも理由の一つかもしれません。
なにげないご近所の風景に
歴史の一端を見つけた日曜の朝でした。