「トロ」について

今回はいよいよ「トロ」についてお話します。

冷凍マグロの加工形態についてご説明してきましたが、「カワラ」という形態についてお話しする前に「トロ」についてお話しする方が先だと考えた次第です。
一回では終わらないので、数回続きます。
お付き合いのほど宜しくお願いします。

そもそも「トロ」とは何でしょう?
簡単に言えば、マグロの魚肉の表層部に近い部分です。
大トロ、中トロ等様々な呼び名がありますがそれについては、おいおいご説明していきます。
とにかく、脂が乗った部分とお考えください。

古くは江戸時代から、マグロの延縄漁業の記録があるそうです。
良く聞く話ですが、江戸時代はトロの部分は
食べずに捨てていた!そうです。
赤身が好まれ、醤油タレに漬けた「づけ」が生まれました。
今考えるととてももったいない話ですが、その当時はもちろんまだ冷凍技術もない為「トロ」の部分は直ぐに傷んでしまって捨てるしかなかったのだと思われます。

かたや、本鮪のもうひとつの生育地域である大西洋から地中海についてです。

例えばスペインでは、本鮪の定置網漁が盛んで、マグロを食する文化も古くから存在します。
しかし今でも焼いたり火を通して食べるのが主。
江戸時代の日本同様、トロの部分は捨てていたそうです。
(もちろん寿司バーは世界中に有りますので、寿司として食べることもあるでしょうが、その消費量は日本国内と比べれば微々たるものだと思います)

マグロを釣り上げて、処理をして港へ運ぶ。
漁師さんの努力や漁船の能力の向上。
そして冷凍技術の進化が進んだおかげで、
昔は捨てていた「トロ」は、現在では回転寿司チェーンさんでも出回るようにまでなったのです。

しかしそのトロのほとんどは「畜養」と呼ばれるものです。(全てでは有りません)

どうしてそのようになったのか、そのあたりの経緯も踏まえて次回は「畜養」と「天然」の違いについてお話したいと思います。

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